男性飼育法

劇場公開日:

解説

女流評論家・三宅艶子の同名エッセイを原案に「花のれん」のコンビ・八住利雄が脚本を書き豊田四郎が監督した、男女・夫婦間の愛情をテーマとする風刺ドラマ。撮影も同じく「花のれん」の安本淳。

1959年製作/103分/日本
原題または英題:Bringing-Up Husbands
配給:東宝
劇場公開日:1959年5月19日

ストーリー

佐谷伸吉は土地建物会社の社長。妻の波恵は子供のないままに女学校の同窓会・姫百合会の幹事として、また演劇研究所のメンバーとして活躍している。伸吉の妹・三代は料理店「まる伊」の後妻におさまり、精力絶倫の亭主と暮している。波恵の妹多美子は大学の研究室にいる田部圭太の妻になっている。圭太は人工受精のための精子保存の研究に余念がない。この三組の夫婦、多少の違いはあれ揃って円満だが、ある日、思いがけないイサカイが起った。波恵が姫百合会の事業として母子寮の建設を計画、土地を見つけたが、その土地は既に夫の伸吉が商売のために買取った後。交渉しても譲ってくれない。波恵は他の幹事の非難の的となった。一方「まる伊」の店では、大森分店閉鎖をめぐってストライキ騒ぎ。頑として店員の言分を聞かぬ伊兵衛を三代は何とか折れさせようと尽すが受入れられない。そのうち田部家でも、“精子保存の研究”とかいってヨソの精子にばかり熱をあげて、妻の存在を余り認めない圭太に、多美子が不満の声をあげた。かくて、縁につながる三人の女性の不満が、その夫たちへの反抗となって爆発することになった。折から演劇研究所で上演準備中のギリシャ劇「女の平和」にヒントを得た波恵は、アテネとスパルタの戦争を止めさせるために、夫婦の寝室の愛情を拒否したギリシャの女たちの故事にならい、夫たちをシャット・アウトしようと三代と多美子に提案した。三人の妻は早速実行にかかった。簡単に参ったのは伊兵衛で、三代は毎夜襖の外で哀願する伊兵衛をつれなく追返した。しかし、伸吉と圭太は中々陥落しなかった。が、まず多美子は、自分が人工受精して来たと奥の手を出した。これには圭太もびっくり、愛情のない精子で機械的に受胎する--自分の妻が、と考えた圭太は日頃の落着きもどこへやら忽ち多美子につきっきりとなった。一方、波恵は、浮気の名人と云われる夫の伸吉に、これも取っておきの作戦を使った。ある日、妻の日記を読んだ伸吉は愕然とした。そこには、よろめく妻の心情が綿々と綴られてあった。自分の浮気は棚に上げ、妻に限ってと思い込んでいた伸吉は波恵を詰問したが、それはいつか哀願に変っていた。こうして三人の夫は陥落した。伊兵衛は大森分店を再開し、伸吉は姫百合会に土地を譲った。圭太は優しい夫になった。

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