息子(1959)

劇場公開日:

解説

「たそがれの東京タワー」の星川清司の脚本を「秘めたる一夜」の原田治夫が監督した父もの。撮影は「ごめん遊ばせ花婿先生」の渡辺徹。

1959年製作/59分/日本
劇場公開日:1959年3月11日

ストーリー

深夜、第二京浜国道にあるガソリン・スタンドが襲われた。従業員の証言によれば、電話線を切断して裏口から侵入した犯人は、背の高い覆面の男で、左手にピストルを構えていたという。都内各地のガソリン・スタンドを数回にわたって襲っていた者に違いない。笠間捜査主任は附近を徹底的に調べさせたが、馬券一枚の他は何の手がかりもなかった。笠間が帰宅すると、家には寄りつかない息子の昌二が珍しくいた。昌二は結婚のことを相談に来たのだが、笠間はその相手が喫茶店で働いているのを知ると怒った。昌二は父のきびしい干渉に反抗し自動車会社のセールスマンになったがその会社も今はやめて悪質ブローカーの仲間に入っているのだ。--捜査会議では、犯人が自動車関係に明るい点が打ち出された。聞きこみ捜査の途中、笠間は場外馬券売場で昌二を見つけた。犯行現場の馬券が笠間の脳裡をかすめた。それに、昌二は左利きだった。強盗は薬莢だけを残して、八回目の犯行を重ねた。笠間は昌二の写真を基礎に手配写真を作り、被害者に見せて廻った。半数以上は即座に肯定した。次に、昌二の部屋を捜査した。机からは薬莢が出て来た。さらに、東京地図--その地図には今までの被害地に○印が、そしてその数は事件より一つ多く「四日?」と記入してあるのだ。これから襲う予定の場所か?笠間は非常警戒の措置をとった。十二時、黒い人影が近づいた。「昌二ッ!」と叫ぶと同時に相手のピストルが火を吐いた。闇のかなたの拳銃--その前に飛び出した昌二が腕を射ちぬかれた。屈せず黒い影に挑みかかった昌二。犯人は見も知らぬ男だった。昌二は笠間に云った。「お父さんの手で捕えさせたかったんだ……。」

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