海っ子山っ子

劇場公開日:

解説

筒井敬介のNHK連続放送劇「でんでん虫の歌」を、原作者自身が脚本化し、「千羽鶴(1958)」の木村荘十二が監督を、「怒りの孤島」の木塚誠一が撮影を、それぞれ担当した、子供の世界を描いた作品。主役の少年二人は東京放送劇団から選ばれ、吉沢久嘉・松本克平・飯田蝶子・原泉などが助演している。八巻。企画・静岡県婦人団体連絡会、協賛・中外製薬。

1959年製作/71分/日本
原題または英題:Sea Boy and Mountain Boy
配給:日活
劇場公開日:1959年3月3日

ストーリー

若い早見先生はその町の小学校に赴任してきたが、網元の青葉丸にむりやり竜宮館へ下宿させられてしまう。その漁師集落と、隣りのミカン山集落が新しい先生を自分たちの味方にしようと取り合ったのだ。先生は岬の突端の乙姫神社で、ハト好きの少年・京助と出合い、彼に連れられ、ミカン山の京助の鳩舎を見せてもらいに行くことにする。が、途中、磯の子たちに襲われた。歓迎会の席上、校長は京助の父・田川がミカンつみのアルバイトに今年は磯っ子も使ってみたいと申し入れてきたことを話す。先生も賛同した。互いの仕事を知り合うことで、対立感情も収まるのではないかと思ったから。が、数日後、青葉丸の息子・ゴリラ君が父に毀られたと泣いてきた。ミカン山で働くなといわれたという。そのとき同宿のバスガールのなみ子がゴリラと犬猿の仲の京助を連れてきた。鳩をふやしたいと借金を申しこんできたというのだ。--帰途にはゴリラ君と京助はオヤジがわからずやだという点で意見が一致し、仲良くなっていた。ミカン山で磯っ子と山っ子はどうも肌が合わない。乱闘になりかけたりする。京助のオスバトを父が運動のため出してやったが、鳩はオス・メス交替で卵を抱くので、オスがいなければ孵化しないのだ。その夜、京助はゴリラ君とオスを探しに行く。鳩は岬の突端にいた。捕まえたとたん京助は海へ落ち、やっと小岩にはい上った。潮が満ちれば岩はなくなる。ゴリラ君は港で小舟を探すと愛犬ムクと共に京助へ向けて漕ぎだした。京助を収容したが、ろが流され、沖へと漂流し始めた。両集落では、二人の行方不明を騒ぎだした。京助らは無人島にたどりつく。ムクの首に手紙をつけて海へ放った。二人は救い出された。このことで両集落の大人たちは互いに和解することになった。皆いっしょになって夏祭を楽しんだ。

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