モダン道中 その恋待ったなし

劇場公開日:

解説

東北・北海道の名所旧蹟を背景にした道中喜劇。野村芳太郎・山田洋治の共同脚本を、「月給一三、〇〇〇円」のコンビ野村芳太郎が監督、井上晴二が撮影した。「渡る世間は鬼ばかり ボロ家の春秋」の佐田啓二。「楢山節考(1958)」の高橋貞二、「現代無宿」の岡田茉莉子・桑野みゆき・三井弘次・桂小金治・若水ヤエ子らが出演。色彩はイーストマン松竹カラー。

1958年製作/93分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1958年7月13日

ストーリー

銀行員鶴川松夫は三万円の金が思いがけず手に入り、東北・北海道の回遊旅行に出発した。車中で亀野竹彦というヒョーキンな男と知り合い、同行することにした。自動車修理工だという。飯坂温泉で、竹彦は宿の女中弘子に惚れるが、失敗。二人はとにかく旅行中に素晴しい花嫁を探すことにした。その夜、スリの梅吉に虎の子を盗られかけた。松島では、遊覧船上で松夫が美人を見染めた。海老原ゆりという名で、富豪の令嬢らしかった。実はデパートの売り子で、妹のトシ子と一生の想い出に大名旅行の最中だった。梅吉は松夫らと知り合ったが、上野から尾行してきた時化田刑事に捕まった。共犯の容疑で松夫・竹彦は梅吉の被害者・ハワイ婦りのヨナミネ夫妻と大ゲンカする。八戸と十和田へ竹彦と松夫はそれぞれ向った。弘前で再会したとき、竹彦は城下見物の馬車の馭者・鈴子に一目惚れした。さっそく結婚を申し込むが、彼女は一週間後、父円太郎のいる札幌で見合することになっているという。青函連絡船で二人は再びゆり姉妹に出会った。が、ゆりには北海道の牧場主の息子という宝田がつきまとっていた。彼はゆりを東京丸越デパート専務令嬢と思いこんだのだ。白老・昭和新山・洞爺湖ではアイヌ集落や湖を見物する。豊は松夫らをマイてゆりに求婚しようとしたがトシ子が邪マをする。登別で、松夫はゆりと初めて二人きりになった。倶多楽湖のほとりで彼は彼女に接吻した。その夜の宿で、ゆりは丸越の札幌支店長という男に出会った。豊の父と友達だという。ゆり姉妹は札幌の豊の牧場で、無理矢理泊められたが、素性はバレた。が、彼女はなんともなかった。姉妹は松夫たちを探した。鈴子の相手は例のヨナミネ夫妻の息子のはずだったが、息子は向うでグレてい、代りに竹彦を見込んだ夫妻が彼を養子にし、鈴子と結婚させてハワイへ連れて行くことになった。梅吉は定年の時化田刑事に同情して捕まってやった。松夫はむろん、ゆりと結ばれた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0重厚な「張り込み」を撮った後に、結構C調な喜劇をこなす野村芳太郎

2019年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

懸賞で三万円もらった、平の銀行員の佐田啓二が、北海道まで列車で旅行に行きながら道中で知り合った自動車整備士の高橋貞二と恋の珍道中を繰り広げる。 10日以上かけて福島や青森や北海道各地を巡る観光映画の側面が強いが、当時の風景がとにかく見所。 バラエティみたいな舞台セットや変なナレーションを多様して笑わせるところも楽しめるが、驚くのは、野生の海鳥が多数いる島で無茶なロケしてるなど、今ならクレーム物の箇所もある。 あの重厚な「張り込み」を取った後に、結構C調な喜劇を職人的にこなす野村芳太郎監督。尊敬します。 そういえば、上野から青森までの鉄道料金が3等旅客席で、三千円強ぐらいと台詞にあったが、劇中での平の銀行員の給料か1万8千円と台詞あったので、やはり旅行は、庶民には高嶺の華だったのか。 旅館の瓶ビールが1本180円もいい値段 結構なロケ予算が掛かっていると思う作品だけど、90分しかないからか?雑なカットで話が進むのも微笑ましい。しかもラストのオチはヘン。

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