新選組(1958)

劇場公開日:1958年7月13日

解説

「不敵なる反抗」の高岩肇のオリジナル・シナリオを、「直八子供旅」の佐々木康が監督、「花笠若衆」の三木滋人が撮影するお馴染みの新選組ものだが、今回は鞍馬天狗が登場する趣向が目新しい。出演は「奴の拳銃は地獄だぜ」の片岡千恵蔵、「鴬城の花嫁」の大友柳太朗、「唄祭り三人旅」の東千代之介、「浪人八景」の長谷川裕見子、「伊那の勘太郎」の千原しのぶ等の豪華キャスト。色彩は東映カラー。

1958年製作/94分/日本
原題または英題:Shinsengumi
劇場公開日:1958年7月13日

あらすじ

--新選組の横川ら三人が、見世物一座の勘兵衛を、理由なく斬り殺して逃げた。会津の小鉄はそれを新選組の道場に怒鳴りこんで、近藤勇の知遇を得るようになった。横川らは近藤勇と対立する関副長の部下であり、関の助けで道場を逃げだしたが、沖田総司らに追われ、山中で捕った。そのとき、沖田の危いところを助けたのは、杉作を連れた鞍馬天狗だった。横川には商家から金をゆすった事実があり、それがどうやら関の命令でやったらしいのだ。何に使う金か。--月形半平太は祇園で鞍馬天狗と維新のことを協議する。その帰り、半平太は雛菊に送られて、“月さま、雨が”“春雨じゃ、濡れて行こう”--近藤勇は関の手下に夜道を襲われた。勇は関の仕業と知っても黙っていた。関は穣夷派と通じ、挙句は新選組を脱退して行く。その別離の宴で土方は彼を斬ろうとするが、近藤は止めた。近藤が静養に行った留守、土方は討幕派の浪士に対してテロに移った。が、その都度、鞍馬天狗が風の如く現れ、浪士を救った。近藤勇は静養先で半平太と知り合う。土方らは鞍馬天狗のかくれ家を襲い、杉作を捕えた。それを、救いにきた天狗を隣室にいた近藤は見逃す。人一人を斬ったところで何になろう。--小鉄は死んだ勘兵衛の娘お春を助けて、商売を続けさせていた。関らが長州の者と結び、祇園祭を期して京都に火を放ち、クーデターを行おうとしている(関はこれで金が必要だったのだ)のを、偶然のことで小鉄は知った。彼らに気づかれ、崖に追いつめられた。傷つきながらも彼は新選組の陣屋にたどりつき、そのことを知らせる。当日、新選組は池田屋を襲い、関らを全部倒す。その報せに天狗は薩摩へ発ったが、月形は近藤と対決した。二人は刀を抜き合う。が、邪魔がはいった。--新選組が長州征伐へ発つ夜、陣屋に月形が訪ねてきた。近藤を説得にやってきたのだ。が、もの別れとなる。近藤を関が銃で狙ったが、心ならずも関の方についていた藤堂が身代りに撃たれ死んだ。近藤らは大阪へ向って発った。行手には討幕の令を受けた、鞍馬天狗を先頭にする薩摩軍がいた。小鉄は彼に従おうとしたが、いさめられ、お春を助けて江戸へ向った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0 カッコいい新撰組を観たいなら本作です! 新撰組ものを始めて観る方にもオススメです 肩もこらず、幕末の知識がなくても大丈夫です

2022年11月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1958年公開、カラー作品
新撰組のスカイブルーのだんだら模様の羽織りをその色でごらん頂けます

大好き!楽しい!
新選組だけじゃあありません

鞍馬天狗も、月形半平太も登場するんです!
幕末ものと言えば、新撰組だけじゃなくてこの二人もやっぱり観たいじゃないですか!

「杉作、日本の夜明けは近いぞ」
「おじちゃん!」
この鞍馬天狗の名セリフは残念ながら本作にはでて来ません
そこが少し物足りないのですがとにかく鞍馬天狗は杉作少年とともに何度も登場して活躍します

そして月形半平太と言えばこの名シーン
「月様、雨が・・・」
「なに春雨じゃ濡れて行く」
これはキチンとあります
ね、サービス満点でしょ!

「東山三十六峰草木も眠る丑三つ時、突如として起こる剣劇の響き……」
なんて名調子のナレーションが欲しいぐらいです

ところで坂本龍馬は、ちらりと名前が何度かでる程度で登場しません
司馬遼太郎の「龍馬がゆく」がベストセラーになるのは本作公開の5年後のことになります
本作公開当時は幕末のスーパーヒーローとまでは認知されてなかったと言うことでしょう

鞍馬天狗や月形半平太がでてくるから、むちゃくちゃなストーリーのように思われるかも知れませんが、まあまあかなり史実での要所は抑えてあります

本作の特徴は、とにかく近藤勇が格好いいことです
新撰組はあくまで正義の軍団で、近藤勇は日本人が想像する理想的なリーダー像として描かれます
それを片岡千恵蔵が演じるのですからもう問答無用の格好良さです
ちょっと大石内蔵助ぽいです

まだ22歳の細くて若い里見浩太郎が見世物小屋の染五郎役で登場します
歌のシーンもあります
池田屋の最初の情報を探知する重要な役です

冒頭の見世物小屋での事件の後に、八・一八の政変で御所に新撰組が急行するシーンがあるので1863年の初夏ごろから物語は始まります

クライマックスは1864年7月8日の池田屋事件
祇園囃子を背に池田屋に突入
階段を駆け上る新撰組隊士の勇姿!
激闘シーンはこれぞチャンバラというものを満喫出来ます
派手な階段落ちがもちろんあります!
素晴らしい落ち方です
「蒲田行進曲」の階段落ちのモチーフはこれがモデルと思います

ラストシーンは1868年の鳥羽伏見の戦いに新撰組が向かうところで終わります

島原の揚屋「角屋」(すみや)での宴会シーンは美術セットにご注目
素晴らしい再現度合いです
本物がいまも島原に残っています
有料ですが見学できます
酔った新選組の隊士が振り回した刀の傷が柱に残っています

カッコいい新撰組を観たいなら本作です!
新撰組ものを始めて観る方にもオススメです
肩もこらず、幕末の知識がなくても大丈夫です

2022年秋新撰組展が京都文化博物館でありました
閉会間際に見学に行きました
大勢の見学客で賑わっていました
本当に彼らは実在していたのです!

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あき240

3.0 東映時代劇

2017年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

近藤勇を片岡千恵蔵、鞍馬天狗を東千代之介、会津の小鉄を里見浩太朗、月形半平太を大友柳太朗が演じる。
近藤勇は歴史の流れがわかっており、池田屋を片付けてもすっきりしないようだ。
新選組娯楽版。

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いやよセブン