女の防波堤

劇場公開日:

解説

終戦直後、連合軍の進駐に際し日本婦女子の貞操を守るために作られたという進駐軍相手の売春会社に応募した女たちの姿を描いた田中貴美子の原作(第二書房版)の映画化。小山一夫と「続・君ひとすじに」の共同脚色者の一人、村山俊郎とが脚色を担当、「暁の非常線」のコンビ、小森白が監督、岡戸嘉外が撮影した。主演は新人の小畑絹子、「肉体女優殺し 五人の犯罪者」の三原葉子、城実穂、「新妻の実力行使」の万里昌代、それに荒川さつき、細川俊夫、鮎川浩。

1958年製作/88分/日本
原題または英題:Girls Against the Barbed Wire
劇場公開日:1958年1月4日

ストーリー

昭和二十年八月三十日マックァーサー麾下の連合軍は続々と厚木に進駐して来た。この日から、相ついで占領軍の暴行事件に人々は戦々兢々としていた。折も折、“日本女性の防波堤たれ!”という名のもとに“特殊慰安施設協会”(RAA)の手で“昭和の唐人お吉”集めが行われていた。この中には戦火に家を焼かれ親を失った田口ふみ子、友人の藤井由子の姿もあった。大森海岸小園に送られたふみ子と由子は、冷たい日本人の目に慄然とした。特攻隊で夫を失った島田清子は二人の子供のためやって来たが、その晩自殺した。RAAの庶務課長林の世話で銀座のクラブに移り、クラブの女王となったふみ子は、林の女、同じクラブの朱実と大喧嘩のはて、福生の安酒場へ流れていった。ここでも酒と男と喧嘩の毎日--みんなすさんだ生活のなせるわざだった。そんなある日、ふみ子はブラウン少尉に会った。倫落のはてにたどりついた愛、ところが彼女のささやかな幸福もふたたび朝鮮に起った戦火の前にはもろくも崩れ去った。ブラウンの子供を生むため入った産院から、更び夜のちまたに迷い出て行った。--麻薬密売人の情婦に、そして求められて医師の妻に、しかし肉体に刻まれた烙印ゆえにつぎつぎと裏切られていった。いつしか有楽町のガード下に立っていたふみ子は梅毒におかされ狂う由子を見て、「戦争さえなかったら!」と叫ぶのだった。しかし、ブラウンとの子に会いにサンダース・ホームに行ったふみ子は林と会った。お互にきずついた身体をいたわり合って、生きようとはげます二人のひとみにはかすかながら、希望のひかりが見られた。

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