夕日と拳銃

劇場公開日:

解説

血と黄塵、満蒙の原野に跳梁する馬賊の群!若き名門の反逆児、伊達麟之介の半生を描く。檀一雄の長篇小説より「恐怖の逃亡」の沢村勉が脚色、「母子像」の佐伯清が監督した。撮影は同じく藤井静の担当。イーストマン東映カラーを採用、色彩考証は「怪談千鳥ケ淵」の和田三造。主演は「満月あばれ笠」の東千代之介が現代劇第一回出演。これに「地下鉄三四郎」の三条美紀、日野明子、「忍術快男児」の波島進、「水戸黄門漫遊記 鳴門の妖鬼」の浦里はるみ、「大学の石松 ぐれん隊征伐 太陽族に挑戦す (二部作)」の高倉健、春日とも子、「飯沢匡作「二号」より ある女の場合」の村瀬幸子、新人岡田敬子、「地下鉄三四郎」の高木二朗、「野郎ども 表へ出ろ」の南原伸二、「海の百万石」の進藤英太郎、「満月あばれ笠」の宇佐美諄、その他坂本武、小沢栄、加藤嘉、神田隆など。

1956年製作/123分/日本
配給:東映
劇場公開日:1956年9月18日

ストーリー

大正八年、群雄相争う戦乱の満洲。ピストルの達人伊達麟之介は堅苦しい華族の生活を捨てて、後見役逸見六郎と奉天の張作霖の下にやって来た。だが元来、野性児の彼は鹿爪らしい張の許を去り、東蒙古、馬賊パプチャップの独立運動に加わる。彼を愛する余り、同じく日本を捨て後を追う山岡厳山の娘綾子も麟之介は意に介さない。張作霖との戦闘は麟之介の奮戦にも拘らずパプチャップ軍の壊滅。彼は逸見にパプチャップの遺児チチクを託し、野人九曜山の集落へ。そこには男装の娘アロンがいて彼を慕う。逸見はチチクを連れ奉天に戻り、綾子は欧州へ旅立つ。入れ代って向島の賭博師日笠団蔵の妹こうが麟之介を追って来る。アロンは綾子の存在を嫉妬して麟之介を射つ。傷ついた彼は九曜山の計いで療養のため日本へ。旅行から戻り早速、麟之介を見舞った綾子は、枕頭に侍る植木屋松源の娘千代に驚く。病癒えた彼は、逸見の便りで再び綾子にも内密で渡満。逸見はおこうと結婚しチチクを育てていた。おこうは再会に動揺、だがすでに逸見の子を宿している。昭和六年、満洲事変勃発、麟之介は満洲国軍少将として国境の町臨江へ警備司令官に着任。彼は逸見と平和な楽土建設に努力。しかし戦火は絶えず、逸見の建設した桃源境にも敵軍が侵入。おこうはチチクを守って死に、逸見も傷ついて馬賊王鳳閣に看護される。だが平和建設の闘士王は妻子諸共、日本軍の中山少佐に銃殺される。怒りの末、少佐の官邸で暴れた麟之介は、山東省に左遷されることになる。彼を頼って訪ねて来た千代、成長したチチク、綾子と弟慎太郎、そして満洲解放の闘士、金日成やアロンに送られ、麟之介は愛用の拳銃を恋人として放浪の旅路に出発した。

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