のり平の浮気大学
劇場公開日:1956年5月10日
解説
雑誌『平凡』に連載された夏目咲太郎原作“愉快な家族”の映画化で、一四四号掲載「のり平の三等亭主」に次ぐ“のり平シリーズ”の第二作である。スタッフ・キャストは前作同様だが、配役に「婚約三羽烏」の河内桃子、北川町子などの追加がある。
1956年製作/55分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1956年5月10日
ストーリー
堀部部長の好意で温泉に行って仲直りした大月五郎と千恵子夫婦は、このところ御円満。ところが千恵子は最近、電気洗濯機熱にとりつかれ、五郎を悩ます。たまりかねて部長に前借を申込んだ五郎は一言の下にはねつけられ「女房など口にするな」と言われた。一方、千恵子は部長宅で、夫人が芸者の声色で夫に電話するのを見て唖然としたが、「これが若返りの秘訣」と言われ、得る処多大だった。会社で部長に女もてののろけを聞かされ、くさった五郎は「私にも芸者の一人や二人……」と出まかせを言い、その芸者を紹介しろと迫られ、デタラメに掛けた電話から待合“竹の家”に出掛けた。だが五郎の空弁当を見た芸者梅香の身の上話で里心のついた五郎は早々に帰宅したが、出迎えた干恵子と妹達子の厚化粧姿をみて万更でもなかった。次の日曜日五郎の会社の独身者杉本の処に出かけた達子は彼を慕う正子と鉢合せし、「電気洗濯機つきの女房を貰うと言ってた」という正子の言葉に怒って帰った。部長に貰った指定席券で劇場へ行った五郎は隣席の美人に有頂天になったが、何と正体は婦人警官。散々油をしぼられてヤケになった五郎は家の近くで一杯ひっかけたが十二時過ぎとなり、酔いつぶれていたデブの漫画家岡品凡を後輩に仕立てて連れ帰りゴマカした。賞品に電気洗濯機が提供される町内の相撲大会へ、千恵子に引っ張り出された五郎は奇略を使って勝ち抜いた末、五人目の岡品凡も倒し見事賞品を得た。しかし岡品の提案で洗濯機は母子寮に寄付し、「私のために頑張って下さって、私とても幸せよ」という千恵子の手を、五郎はシッカリと握りしめた。