舞妓三銃士
劇場公開日:1955年3月4日
解説
「近松物語」の依田義賢の脚本による喜劇で、監督は「お富さん」の天野信、撮影も同じく今井ひろしの担当である。音楽は「地獄谷の花嫁」の高橋半。出演者は「お富さん」の小町瑠美子、「地獄谷の花嫁」の江島みどり、「千姫(1954)」の峰幸子のほか、浪花千栄子、花菱アチャコ、千葉登四男など。
1955年製作/57分/日本
劇場公開日:1955年3月4日
ストーリー
京都祇園に住む小りょう、君子、君一の三人の舞妓は年も十六、三人とも大の仲良しである。ここに遊びに来る毛織物問屋の主人大橋は女好きで、君一に惚れて居り、行く行くは君一の水揚げをしようと企らんでいた。人気役者の中村勝之助も彼女らのいい遊び相手で、三人は内心彼が好きなのだが、口に出さないので互に分らなかった。或る日三人が別々に勝之助から手紙を渡され、夫々秘かに家に帰ってそれを開いてみると、「役者としては人気が大切だから皆さん後援して下さい」という通り一辺のものでがっかりさせられたが、それがやがて、三人共同じ手紙を貰ったことが分かると、三人は大いに憤慨して、今度は共謀して勝之助を呼び出し、さんざんの目に会わせるのだった。扨、ある夜大橋がキャバレーで酔っぱらっている時、与太者に因縁をつけられ、三人の舞妓はハラハラしていたが、一人の大学生が出て来てその与太者を殴りとばして大橋を救った。この学生は斎藤というアルバイト学生で、今仕事がなく腹ペコだと云うので、大橋は彼にうまいものを食べさせ、その上職業も洋服も与えると約束した。所が翌日、斎藤が大橋と指定された店で洋服を注文していると、大橋はそんな約束をした覚えがないと云い張るので、斎藤は怒って表にとび出してしまった。大橋が昨夜余りに酔っていたためと分ったが、斎藤に好意を持つ三人は非常に怒った。而も大橋はこの問題と前後して君一を水揚げせんとしていたことが分った。三人は仰天したが愈々その夜になると、三人の舞妓は水揚げ旦那撃退に共同防戦を計るのであった。