落語長屋お化け騒動
劇場公開日:1954年7月13日
解説
「夏祭り落語長屋」に次ぐ落語シリーズ第三作。スタッフキャストとも前作とほぼ同じであるが、“反魂香”“らくだ”“おみきどっくり”等の落語ネタより佐藤敏が脚本を執筆している。
1954年製作/91分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年7月13日
ストーリー
大工八五郎が大家の質屋宗右衛門の陽除けをこさえて御存知落語長屋にも世間なみの夏が来た。娘お黒がぶらぶら病いに取りつかれて大家は頭を痛めていた。実は長屋の浪人新三郎がお墨付の掛軸を大家に質草にとられ、その為帰参する事が出来ぬので、新三郎を恋するお里が心配しての結果だった。これを知った八五郎は、母親お勘の幽霊のお告げだといって目出度く事を解決した。帰参祝いに新三郎に招かれた八五郎、熊さん、辰吉が掛軸の画の幽霊と戯れたばかりに、新三郎が国許へ出立してからも、その家にお化けが出るようになった。ところがその家へらくだの馬さんが強引に住込んで暴れ廻ったので長屋の連中総動員で化け物になり驚かそうとするが、その時らくだは既にフグに当って死んでいた。翌朝八五郎が口喧しい横丁の隠居をまたお勘の幽霊のお告げを利用してだまして以来、八五郎の占いは有名になり、遂に大家の弟が経営している伊豆の温泉宿の大金紛失探しをせねばならぬハメとなった。自信のない八五郎は旅仕度をして逃げ出そうとしている処へ女中のお福が来て告白した。母親に病みつかれたお福は、つい出来心で客の胴巻に手を掛けたが、余りの大金に驚きお稲荷さんの下に埋めたのだ。お福の身の上に同情した八五郎は、彼女を傷つけないように見事失せ物を探し出した。