チョイト姐さん思い出柳
劇場公開日:1952年9月4日
解説
新東宝と伊藤プロとの提携による歌謡曲映画で、阿木翁助の原作から「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」の柴田万三が企画し、「犬姫様」の伊藤基彦が製作に当っている。脚色と監督は「花嫁花婿チャンバラ節」の佐伯幸三。撮影は「おかあさん」の鈴木博である。出演者の主なものは「原爆の子」の小夜福子、「浅草四人姉妹」の関千恵子、「こんな私じゃなかったに」の山村聡、新人高島忠夫に三原葉子、歌謡歌手久保幸江、神樂坂芸妓はん子の特別出演がある。
1952年製作/78分/日本
劇場公開日:1952年9月4日
ストーリー
芸者豆千代には清元の師匠おとよの一人息子信一という幼馴染の恋人があった。信一は、しかし医科を卒業すると友人早川の紹介で、その叔父の経営する熱海の大病院へ招かれることになった。これには、早川の妹孝子の信一に対する好意以上の気持があずかっていた。その頃豆千代も左前になった家を救うため、大阪の株屋に落籍される話が持上っていた。一日おとよは熱海の信一の許を訪ねたが、そこで思いがけない人に会った。おとよの芸者時代の恋人越村だった。当時医学生だった彼は恩義にからまれておとよから去ったが、その後で彼女は信一を生んだのであった。男の子なら引取りたいという越村に、女の子だといつわって、今日まで意地で信一を育てて来たのだったが、越村も妻を失い孤独の身であった。是非子供に会わせてくれとたのまれ、おとよは仕方なく豆千代にその代役をたのんだ。豆千代は越村があまりに親切にしてくれることと、通りかかった自動車に信一と孝子の姿を見たことから堪らなくなり一さいを打ちあけた。越村は我が子に自分のような誤ちをおかさせまいと努力し、豆千代の母松子や兼寿司の兼吉などの助けをかりて信一と豆千代を無事に結びつけてやると同時に、おとよとも二十数年目にようやく晴れて手を握り合った。