刑事物語 殺人者を挙げろ
劇場公開日:1960年2月14日
解説
「刑事物語 東京の迷路」に続く刑事物語シリーズの第二話。松村基生の脚本を、「刑事物語 東京の迷路」の小杉勇が監督し、「地獄の曲り角」の間宮義雄が撮影した。
1960年製作/53分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年2月14日
ストーリー
のどかな昼下り、貸金業を営む由利江という女が無音拳銃のため血まみれになって倒れていた。数分前、レインコートの男が訪れていた。部長刑事になりたての保郎は現場に飛んだ。保郎の父佐藤刑事も来ていた。病院に運ばれた女は一命をとりとめた。犯行に保郎の名刺が使われていたと知った時、保郎は喜んだ。名刺の裏には日附けが入っていた。しかし有力とにらんだ出版業の熊部が手帳にはさんだまま名刺を銀座の電話ボックスに置き忘れたと聞いて保郎は失望した。九百万人の中からは捜せない。女を狙撃したのは最新式の無音銃であることが判明した。佐藤刑事はハジキの線を洗い出した。一方保郎は債権者を洗ってゆくうち、原という燃料会社の社長に目をつけた。原は由利江から五百万借りていた。当日のアリバイが成立したので保郎はあきらめたが、ふとしたことから原の抵当物件が銀座の「バー・ドモンジョ」とききハッとした。その店は例の公衆電話の前にあったのである。その夜、客を装って「ドモンジョ」に乗り込んだ保郎は意外な事実を知った。原が例の手帳を拾ったと女給達に話していたというのである。佐藤刑事は拳銃ブローカーの中からマリというめぼしい女を探し出した。犯人を求めて親子はマリを尾行した。その頃、原と殺し屋仲介の島尾と殺し屋丈吉の三人が相対していた。由利江の殺害未遂で丈吉をののしった原が帰った後、ピンハネを知った丈吉は島尾に無音銃を浴びせた。到着した二人はマリをトラックに乗せて逃走する丈吉を追ったが、佐藤刑事は腕を射たれて倒れた。保郎の急報で非常警戒網がはられた。しかし二人のトラックがひっかからぬも道理、トラックは被害者にとどめを刺しに病院に向っていた。保郎らが乗りつけた時、丈吉は護衛の刑事を倒し由利江を殺して高飛び寸前だった。警察の手配を知った丈吉は隅田川に通じる地下水道にもぐり込んだが、保郎と佐藤の手で逮捕された。警察病院に入院した佐藤刑事を看病するのは、保郎の恋人、女医の久美子であった。