殺すまで追え 新宿25時のレビュー・感想・評価
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無断でリメイクされた?フリッツ・ラングの傑作が元ネタの「復讐は天知に任せろ!
刑事の天知茂の同僚が高級マンションで自殺した事件を捜査するマイホームパパ(⁈)なのにハードボイルド刑事(?)の天知茂の辿り着い真相とは! 勝手なイメージだけど、天知茂にマイホームパパなイメージが、ないため新境地かな?と思っていたら奥さんが、天知の代わりに仕掛けをされた自家用車で爆死しする辺りで、デジャブが襲い、悪のボスでもある佐藤允が、情婦の顔にやかんの熱湯をぶッかける場面で確信したが、本作は「メトロポリス』や『M』などの傑作で、知られるフリッツ・ラング監督のフィルムノアール『復讐は俺にまかせろ』1952年(原題『The Big Heat』)をそのまま日本を舞台に置き換えている作品だった。 細かい違いは、あるが全体的にほぼ同じで、オリジナルではインパクトがあって、有名な描写でもある悪役のボス(リー・マーヴィン)が、嫉妬に駆られてて情婦の顔に、熱々のコーヒー☕️(おでん🍢ではない😀)をぶッかける場面と終盤に同じ事をやり返される場面があるが、本作はやり返えす場面はないなど画竜点睛を欠く(ワザと?) オリジナルに無い点は、海岸線でのカーチェイス(空撮もあるが、画面がブレブレで微妙)や終盤の山の麓(劇中では大月の地名)で、佐藤允が逮捕される場面になっている。(完全な野外なので復讐の熱々ぶッかけが無いのこの為?) オリジナルは、都会でボスの拠点でもあるビルのルーフバルコニーで行われる。(ここなら熱々のコーヒーがあるのも問題なし) などの比較もしてしまうが、全体的には水準は配役や演出も悪く無いので楽しめるが、引用元のクレジットなどが本編や映画会社のチラシにも見た限り記載が無いので恐らく無断でリメイクされた?と思われる。擁護する訳では無いが、70年代くらいまで日本映画に限らず漫画や小説やデザインや工業製品などにも海外作品や製品の無断引用は、今と違い多々あり、受け手も何となく分かっていたが、余り問題視して無かった側面もある。 まぁ海外でも黒澤明の『用心棒』を無断盗用(後で和解)したマカロニウエスタンの傑作『荒野の用心棒』の例もあるし、関わってからスターや巨匠になったイーストウッドとレオーネ監督がいない映画史は、今では考えられ無い。 本作で目を引くのは、オリジナルには無い(当たり前か🤔)前記したカーチェイスの場面などがあり公開年月を調べるとカーチェイス映画の元祖的作品で金字塔ともいえるマックイーンの『ブリット』が少し前に日本公開されているのでそれに影響を受けた可能性は有ると思う。正直空撮も含めてクオリティは微妙だが、荒野の用心棒もそうだが、凡庸な盗用作品には無い部分は評価されるべきだと思う。 昔の日本映画全般にいえる点だが、当時の団地やマンションの比較や建設中の高速道路現場でのアクションなども割と新鮮にみれるのが、ロケ撮影の多い作品の利点でもある。 あと声優として名高い広川太一郎氏が俳優で出演しており天知と絡みや終盤の大月ロケ場面にも出番があるのは、広川太一郎マニア(結構存在する!)には抑えて欲しいポイント。ちなみにいい声なのですぐ分かったりしちゃったりなんかして!(広川節の真似) フリッツ・ラングの傑作が元ネタの「復讐は天知茂に任せろ!」的な作品だが主役もシブイし悪役も良いので楽しめます。
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