闇を裂く一発
劇場公開日:1968年8月10日
解説
「おれについてこい!」の菊島隆三がシナリオを執筆し、「早射ち犬」の村野鐵太郎が監督したアクションもの。撮影もコンビの上原明。
1968年製作/82分/日本
原題または英題:Trigger-Happy
配給:大映
劇場公開日:1968年8月10日
ストーリー
ある日、早射ち競技の名手本多修一は、近代五種の中尾、フリー・ピストルの木村と共に本庁へ呼びだされた。三人は「君たちは五輪候補である前に警察官なのだ」という捜査一課長の言葉に不満だった。そして、前夜東京の下町で起ったライフル銃事件を聞かされると一瞬緊張の空気が漂った。手塚がやくざをライフルで射殺し、子供を人質にして逃走中とのことである。警視庁は子供の生命を尊重し、期間を三日に限定して厳重な報道管制を敷いた。最悪の場合は一発で射殺せよ、との命令を受けた修一は江森刑事と組んで、手塚の郷里三崎へ向った。そして、中尾は犬丸と組み手塚の情婦フミ子のマンションへ、また木村は酒井と組んで犯人の会社手塚不動産へ張り込んだ。射撃とはスポーツであり、人殺しの道具ではないと考える修一は、最初からこの役目に気が乗らなかった。つづいて江森班は手塚の所持するライフルの出所先横浜へ飛び、手塚と関係のある女医岡田薫を訪ねた。しかし、彼女は手塚と関係のあることを否認し、捜査第一日目は過ぎ去った。翌朝、交番からの連絡で犯人の隠れている倉庫街へ急行した二人は、手塚を追いつめたものの修一の発射した銃弾がはずれ逃がしてしまった。江森は急遽所轄署にその連絡をした。子供が無事帰されたことを聞いたのはその時だった。食事をともにしながら、二人は両者の反目がいつの間にか氷解しているのに気づいた。修一は、江森の人間性を尊敬し、江森は射撃競技に戻れることを、素直に喜ぶ修一に好感をもった。江森が犯人に射殺されたのは、その直後のことだった。この一件は、修一に刑事としての責任感を燃えあがらせた。事件後三日目、岡田が手塚に金を届けるという情報が入った。場所は東京球場。刑事たちはスタンドを見張ったが犯人の姿はなかった。その時手塚はスコアボードに潜入し三人の係員を人質にしていた。やがて人質の一人井上が、岡田のところに派遣され捜査陣はいろめきたった。ゲームが終った。手塚は安田を人質に暗闇のグラウンドに逃げこんだ。だが執念に燃える修一の弾丸は見事に手塚を倒したのだった。