絶唱(1966)
劇場公開日:1966年9月17日
解説
大江賢次の原作を「友を送る歌」の監督西河克己が脚色・監督した純愛もの。撮影はコンビの高村倉太郎。
1966年製作/97分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年9月17日
ストーリー
山陰きっての大地主、園田家の一人息子順吉は、休暇で帰省した時、ふとしたことから知り合った山番の娘小雪を深く愛するようになった。これを知った順吉の父惣兵衛は、順吉が大学に帰るや地主の権力で小雪の両親正造とサトに因果を含め小雪を他国へ追い出してしまった。しかし、この事は却って若い二人を近づけることになり、小雪の後を追った順吉はへ日本海の荒波と砂丘にはさまれた町で小雪と世帯を持つ結果になってしまった。順吉は勘当され、小雪と二人裸一貫で生きていかなくてはならなかった。が愛しあう二人は幸福だった。この二人を、何かにつけて励ますのは、読書会の仲間、犬谷、マサ、吉原達だった。そんな暮しのうちに、順吉は出征した。小雪は順吉が戦地に行ってから、ヨイトマケ、トロッコ押しと男も及ばないような労働を次から次へとするのだった。その小雪にとって唯一の喜びは、順吉の出発する晩、歌って送った“木挽唄”を歌うことだった。やがて大谷も出征した。その頃は順吉の便りもとだえていた。やがて終戦がやって来た。激しい労働に小雪はいつしか病に侵され病床の身となっていた。大谷が復員して来たが、順吉は戻らなかった。冬が来る頃、惣兵衛が亡くなった。正造とサトはやっと娘に逢うことができた。しかし、両親がやって来た時は小雪の容態が急変した時であった。そんななかに、順吉が帰って来た。小雪は順吉に抱かれて息を引きとった。翌日、園田家の表で、村人達の嫁入り唄を歌うなかに、花嫁化粧に衣裳を着た小雪が順吉に抱かれて入る姿があった。