日本仁侠伝 血祭り喧嘩状
劇場公開日:1966年4月10日
解説
松浦健郎の原作を、「赤い谷間の決闘」の舛田利雄と松浦健郎自身が共同で脚色、舛田利雄が監督した“日本仁侠伝”シリーズ第一作。撮影は「大空に乾杯」の萩原憲治。
1966年製作/89分/日本
原題または英題:The Bloodstained Challenge
配給:日活
劇場公開日:1966年4月10日
ストーリー
明治末期から昭和にかけての流川。久坂伯爵の次男に生まれながら、自由に憧れ、緋牡丹の銀次郎と呼ばれる変り種が黒岩一家に身を置いた。親分金助の極悪非道さを知りながら、銀次郎は、乾分宮川と義兄弟を結び渡世人の修業を始めた。数日後、黒岩組の開張する賭場へ白浜組が殴り込んで来た。一宿一飯の義理で、親分金助に襲いかかる仮面の男を斬った銀次郎は、般若の面の下から白浜組女組長小春の顔を見て愕然とした。白浜組代貸長吉はひきかえしたものの、金助は烈火のごとく怒り、乾分勘八に喧嘩支度を命じた。小春の妹玉枝に好意を抱く宮川は、金助に話を内わで済ますよう頼んだが、勘八の刃に倒れた。宮川の死と、女に傷を負わせたことは、銀次郎の気持を変えた。二度と刃物を持つまいと、流川を離れた銀次郎は、川に溺れかかった旅芸人を助けたのが縁で、芝居小屋の一員となった。ある日、客席から一人の暴漢が現われた。芝居の勧進元鹿倉組組長猪太郎のとりなしで、清次と呼ばれるその男は、弟を殺した男をさがしているとうそぶくと、帰っていった。清次の捜す男こそ、背中に緋牡丹の刺青のある銀次郎であった。その夜鹿倉組の賭場が開かれた。突然暴れ出した政五郎をとめに入った銀次郎は、そこに白浜組代貸長吉を見た。長吉は恨みを果そうと銀次郎に手むかったが、鹿倉一家にとりまかれ川に投げられた。見かねた銀次郎は長吉を救い出そうとしたが、鹿倉組にうらをかかれ、拳銃使い清次に助けられた。清次は弟殺しの犯人銀次郎をじっくり料理しようと考えたのだ。長吉から小春が零落した組を盲の身で支えていると聞いた銀次郎は、房州流川へ向った。自分の犯した罪の深さに感じた銀次郎は、小春に代って黒岩一家に対決した。この寝返りに憤った黒岩組は、清次を使って白浜組をつぶそうとやっきになった。日の出を合図に決闘が開始された。清次は弟の仇と銀次郎を狙った。だがふとしたことから形勢が逆転した。勘八が出した“煙草入れ”これこそ、銀次郎が宮川にやったものであった。「宮川を殺したのは勘八だ!」銀次郎の声と同時に清次の匕首が勘八を刺した。そして金助と清次の一騎打ちとなった。二人は格闘したが、金助は崖下に清次もまた力尽きて息をひきとった。銀次郎は白浜組の償いを果しまた旅へ出るのだった。