オリエント急行殺人事件(1974)のレビュー・感想・評価
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良心と一騎打ちをしよう
映画「オリエント急行殺人事件(1974)」
(シドニー・ルメット監督)から。
新作の「オリエント急行殺人事件」を映画館で観てから、
まず図書館で本を探して一気に読み直し、
それでももの足りなくなって、本作をDVDで鑑賞し直した。
書籍でも、映画(新・旧)2作品でも、
「まだだめよ、全てが過去のことになってから」という台詞が
解決の糸口になっているのは、変わらなかった。
今回選んだのは、無事、殺人事件を解決したあと、
事件の顛末を警察に報告しなければならないのだが、
私立探偵エルキュール・ポアロは、こう呟く。
「警察の立場で考えるならば、第1の方法が喜ばれるだろう。
では警察への報告を苦心して作文し、良心と一騎打ちをしよう」
この殺人事件を、彼は最後どう処理するのか、
とても興味があるシーンだったので、印象に残った。
またこういった結末は、ストーリーの関係無いのか、
監督独自の発想なども加えられる部分として理解した。
原作の書籍も、新旧の映画作品も、少しずつ違っていて楽しめる。
この比較を楽しむのも、映画の醍醐味かも知れないな。
原作を読んだ方がよさそう
ポワロの冷静さを欠いたような喋り方にイライラして内容を頭に入れる努力が必要だった。なんの意図であんな口調になるのか理解できないよ…特に弁明もなかったし。ストーリー自体はまあ面白い。
会話劇になるのは覚悟していたけれど、説明ばかりで映画としてはちょっと苦手な部類。ミステリー映画は好きなので、これなら小説で読んだ方がよさそうだった。
最後の犯人が明らかになって事件の全貌が判明したときは納得したと同時に、大胆な展開で恐れ入った。どこかで聞いたことあるオチだなーと思ったらこれだったのね。これはやはり原作を読みたい。ただポワロは探偵であって警察ではないから必ずしも正義を貫くわけではない、という決断がなんとも複雑な気分にさせられた。示し会わせた計画的犯行なのにその選択でいいの!?と。ポワロ自身もそれについて悩んでいたようだから尚更歯痒い。こういうほろ苦いところはミステリーらしくて気に入りました。
原作を知らなければ一度は観ておいていいです。が、それまでの代物で、安いドラマみたいになるかもしれないが、もっと映像で見せる工夫がほしい。言葉で説明されるよりも画で判る方が絶対に面白いから。
2017年のリメイクはどうなってるか、期待と不安で半分半分。
なんと豪華な出演者たち、野球で言えばオールスターゲーム。それだけで...
名作だしストーリーは知っていたけれど、観たことがなかった。 ポワロ...
名作なので
大画面で見たかった。
アガサの名作
人生で初めて度肝を抜かれた作品。
ラストに度肝を抜かれた子供時代。
アガサ・クリスティって本当に凄い!
1930年代にこんな斬新なストーリーを考えつくなんて、
やっぱ天才だと思う。
原作いいし、豪華メンバー集めたら面白くなるに決まってる。
でもポワロはピーター・ユスティノフの方が好きですし、
ちょっと豪華メンバー、ボロ出し過ぎじゃない(言葉尻捕らえられすぎじゃない?)と思いますけど。
けどイングリット・バーグマンの演技が本当によくて、「情婦」のマレーネ・ディートリッヒを思い出させて、また列車の中ってのがよくて、何度も観たくなります。
大好きです。
豪華絢爛なミステリー急行
先日の三谷幸喜脚色のSPドラマを見たら、また本作が無性に見たくなった。
(別に三谷版がつまらなかったからじゃなく、むしろオマージュもたっぷりで見易く作られ、思ってた以上に良かった)
イスタンブールでの仕事を終え、オリエント急行でロンドンへ向かう名探偵ポアロ。道中、アメリカ人乗客が殺される。状況証拠から、犯人は同じ車両の12人の誰か。そしてポアロは、意外な犯人と事件の真相を暴く…!
ミステリーの女王アガサ・クリスティーの名作小説をシドニー・ルメットが映画化した1974年の作品。
小説も映画も有名なので、犯人も真相も知っている方は多いはず。
しかしそれでも見応えあるミステリー。
実際自分も見るのは何度目か分からないが、やっぱり楽しめた。
名作はいつ見ても面白い。
冒頭のとある大富豪令嬢の殺人事件、乗車を拒否されるポアロ、完璧なアリバイがある12人…伏線も鮮やか。
本作初見時は、犯人や真相には素直に驚いた。
この手のオチの元祖ではなかろうか。
ただただ、クリスティー女史に感服。
加えて映画は、ゴージャス感に酔いしれる。
美しい映像、華やかな美術・衣装、流麗な音楽。
そして何と言っても、贅沢過ぎるオールスターキャスト。
ポアロ役で長台詞を披露したアルバート・フィニー、憎々しさが見事なリチャード・ウィドマーク、00ナンバースパイとは違う役柄で巧演したショーン・コネリー、あの役のパロディのように思えるアンソニー・パーキンス、ハマり役としか思えない執事役のジョン・ギールグット…。
特筆すべきは、ローレン・バコール、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジャクリーン・ビセット、イングリッド・バーグマンら女優たちの美しさ。
米国ミステリーとは違う英国ミステリーの上質な味わい。
豪華絢爛な急行に乗って、極上ミステリーをお楽しみあれ。
最後に、余談になるかもしれないが…
あくまで個人意見として、今と昔じゃ、オチについて受け止め方が変わった。
昔だったら、あのオチは何か幸福感を感じた。
でも今十数年振りに見て、某刑事ドラマの某警部ならこう言うだろうとつい思ってしまう。
「あなた方の悲しみ、苦しみは充分お察しします。しかし、あなた方のした事は間違っています! ポアロさん、あなたもですよ」
このポアロは好みじゃない。
いろんな役者さんがポアロをやってるけど、このポアロはどうも好きになれない。
でも、内容は勿論面白い。元祖全員犯人だけはある。
何故列車内殺人なのか
総合:65点
ストーリー: 50
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 60
ネタバレ注意です。まだ見ていない人は読まないでください。
どうやってこれらの人々が遠くからわざわざこの場所に集まりこの殺人を計画したのか、そのような殺人の背景がわからない。
12人にとっての目的は復讐をすること。それならば逃げ場のない列車の中ではなくても、誘拐犯の身元が割れた時点でもっと安全にいつでもどこか他の場所でラチェットを殺せたはず。被害者が列車に乗るのを待ち、彼の予定に合わせて列車の乗務員になって潜り込み同じ列車の乗車券を他の仲間全員で抑えて、とかかなり設定に無理がある。ホテルとかで襲ったほうがよほど準備も逃亡も楽だっただろうに。
殺人の謎解きと動機にばかりに焦点が当たりすぎで、何故犯人がここに集まりここで事を起こしたのかに疑問が残る。列車の中で謎解きをすれば物語として盛り上がるから無理やり状況を設定しましたという感じを強く受ける。それは原作者の都合でしかなく、実際の犯人の都合を無視している。そのあたりが解決されないかぎり、これを推理物の名作とは思えない。
演技派スター達も霞んでしまう駄作
国際色豊かな演技派スターを集めてみてもプラスの面を多い尽くすほどマイナス面の印象が強烈で直視出来ない。
そうそうたる面々の名前が映し出されるオープニングの期待感からは想像も出来ないほどの駄作だ。
原作を読んでいないので比較は出来ないが忠実に映画化するという意思が働いてこんなにも陳腐な垂れ流されるだけの映像になっているのか?
この作品は大事なことを忘れている。偉大な原作だろうと関係無い。これは映画だ。
ただただストーリーを知りたいのなら本を読めばいい。
これが真の映画なら一人がだらだらと数十分もセリフを並べ続け真相を導くシーンなど存在しなかっただろう。
とは言っても出演者は演技派の集まり素晴らしかった。どこまでも鼻につく演技を見せてくれた名探偵を除いては。
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