がんこ親父と江戸っ子社員

劇場公開日:

解説

「次郎長社長よさこい道中」の瀬川昌治と「カレーライス」の渡辺祐介が共同で脚本を執筆、渡辺祐介が監督したサラリーマン喜劇。撮影は「山麓」の飯村雅彦。

1962年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1962年9月22日

ストーリー

庖丁一本で割烹「浪花」を作りあげた勝五郎は昔気質のがんこ親父だが、そろそろ楽隠居をしようかと考えている。ところが頼りにする長男の勝男は、味元株式会社に就職、サラリーマンとしての一歩を踏み出してしまった。がっくりとする勝五郎だが、そこはよくしたもので小料理屋の主人庄作とのつきあいがカンフル剤的役目をはたしている。幼馴みの二人はバー・エルテナの景子を張り合っているのだ。ヤモメの勝五郎が有利だが、味元の専務小野田という強敵がいるから油断はできない。ところでその景子は、勝男の恋人CMガールの悦子と同じアパートの隣同士、勝男の就職に一役かっているとは勝五郎もつゆ知らない。もちろん景子も勝五郎をふれ込み通りの社長と信じて疑わない。さて、念願のサラリーマン生活に張切る勝男だが、次の難関悦子との結婚に頭を悩ませていた。あの手この手の戦法にも昔気質の勝五郎は頑としてききいれない。折しも今度は勝五郎に再婚話が持ち上った。だがゾッコン景子に参っている勝五郎はそれを断ると、頼まれるまま景子に同伴して熱海へ飛んだ。二人っきりになって夢心持の勝五郎だったがそれも束の間、後を追ってきた花嫁候補にばったり。勝五郎の正体を知った景子はかんかん、夢はもろくもくずれ去った。一方勝男は秘書課に転任、といっても宴会係で連日汗だくの奮闘中。そこへ来日中のバイヤー、ラミー氏が浪花の料理を食べたいと言いだした。ところが困ったことに勝五郎が熱海のショック以来家へ戻らないのだ。たまりかねた勝男が庖丁を握ったところへ、ひょっこり勝五郎が帰って来た。悦子と景子の説得が功を奏したのだ。親子の庖丁の音が、威勢よく流れていった。

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