愛のうず潮
劇場公開日:1962年5月22日
解説
梶山季之原作・テレビの連続放送劇「愛のうず潮」から堀江史朗が脚色、「喜劇 駅前弁当」の久松静児が監督したメロドラマ。撮影は「アワモリ君西へ行く」の飯村正。
1962年製作/99分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1962年5月22日
ストーリー
綾子は女学校を出てすぐ毛利武彦と結婚した。それから五年、子供もなく東京郊外の団地アパートに二人は生活していた。夫の武彦は日の丸物産の営業課長に出世していたが、ニューヨーク支店長の椅子を狙って専務秘書の浅見夏江と関係をもっていた。夏江は社長の姪である。綾子はその淋しさをローケツ染めに気をまぎらわせていた。或る日、綾子は、ローケツ染の先生のアトリエに、グラビアを撮りに来た写真家の香川英二と知り合った。香川は綾子の孤独な影と、その美しさに強くひかれた。香川は綾子に写真のモデルを頼みこんだ。綾子は夫の許しを得て承諾した。和服に着かえた綾子は見違えるほど美しかった。香川は厳しい表情で写真を撮った。武彦は専務と一緒に名古屋へ出張すると偽って、夏江と熱海へ旅行した。その留守中、香川と綾子はよく逢った。綾子の心に香川の姿が大きく入りこんできた。それから数日後、ニューヨーク支店長に武彦が決った。しかし、会社では武彦と夏江の関係が噂になっていた。課長の三島が熱海で二人の道行を見たのである。三島と香川は大学の友人である。綾子はそれを知って愕然とした。しかし、綾子は逆に香川とのことを罵倒された。悲しみの綾子は、女学校時代の友人、京都のみどりの旅館に逃げた。そのあと、武彦は自動車事故で重傷を負った。そんなことを知らない綾子は、京都で偶然香川と逢った。香川は綾子に愛情をうちあけた、綾子は人妻として悩んだ。香川はそんな綾子を優しくいたわった。思い悩んだ綾子は香川を残して旅館を立った。空はどんより曇っていた。綾子はどこゆくあてもなく歩きつづけるのだった。