明日を呼ぶ港
劇場公開日:1961年1月19日
解説
明星連載の丸木健嗣の原作を「性生活の知恵 第二部」の桜井康裕が脚色。「夕やけ小やけの赤とんぼ」の島耕二が監督したアクションもの。撮影は「投資令嬢」の秋野友宏。
1961年製作/81分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年1月19日
ストーリー
幸司は高校を卒業したばかりだ。世界の海を駆けめぐるでっかい夢を持っている。兄の一郎が宮崎海運の社長秘書をしているため早速横浜に兄をたずねてやって来た。ところが、一郎は宮崎社長の三畳間でわびしい暮し。社員としてもドンケツの方にいる。兄貴があまり頼りにならないため、幸司は港のミルクホールで働きながら船員になる機会を狙うことになった。そのミルクホールには明ちゃんという可愛い女の子がいて何かと幸司の世話をやいてくれた。夜はキャバレー“火の鳥”で歌をうたってアルバイト。兄貴よりもよい収入だ。一方、兄一郎の勤める宮崎海運は、悪質な抜荷に手を焼いていた。社長宮崎に対する重役の風当りも強く、次期社長も専務の水沢が就任することは時の問題とみられていた。宮崎社長は、水沢専務が娘のさつきに気があるとみて、さつきを水沢と一緒にさせようと強引にさつきを口説いていた。さつきは、糞真面目な一郎に好意を持っているが、堅物の一郎はてんで受付けない。さつきは水沢をあきらめさせようと、一郎を引っぱり出して恋人役のスタンドイン。水沢にあてつける。これを聞いた宮崎社長は一郎を馘にしてしまった。馘になって初めて一郎は、さつきを愛している自分を知り、宮崎海運の抜荷を探し出して社長に認めてもらおうと港をうろつき出した。黒づくめの服装、名前もジャガーの一郎と変えて、地獄の政、コンドルの安、まむしの鉄など、港に巣喰う悪人を訪ねて廻り、抜荷をやろうと誘いかけるが、抜荷と聞いてみな逃げ出してしまった。ところが港の愚連隊高津組が抜荷をやっており、その黒幕は専務の水沢なのだ。高津組は港をうろうろする一郎が邪魔で仕様がない。弟の幸司を罠に一郎を襲うが、一郎は敵の裏をかいて、まんまと高津組の抜荷自動車と、幸司をかっぱらってドロン。水沢が社長就任の挨拶をしようとしている席場にトラックもろとも乗りこんだ。これで水沢の悪事も露見した。喜んだ宮崎社長は、幸司も一郎も船員にして船に乗りこませてしまった。実業家志望の一郎と今では彼を愛するさつきはびっくり仰天。一郎は船から海へ飛びこみ、さつきの待つ岸壁に猛烈な力泳をみせた。岸ではさつきが手を振っていて、船では幸司が手を振っていた。