反逆児(1961)
劇場公開日:1961年11月8日
解説
大佛次郎の『築山殿始末』より「月の出の血闘(1960)」の伊藤大輔が脚本を書き、自ら監督した戦国時代劇。撮影は「江戸っ子繁昌記」の坪井誠。
1961年製作/110分/日本
原題または英題:The Conspirator
配給:東映
劇場公開日:1961年11月8日
ストーリー
武田の大軍を迎えて鮮かに勝利を収めた家康の一子三郎信康は、一躍織田陣営に名をあげ、岡崎の城に凱旋したが、次女を生んだ妻徳姫は気位高く信康が産室を見舞うことを許さなかった。今川義元の血をつぐ築山御前を母に持ち、九歳で信長の娘徳姫を娶った信康は戦国時代とはいえ、血の相剋に生きる運命児だったのだ。父母は身の立場から浜松と岡崎に居城を別にしている有様、築山御前の冷い仕打に妻としての態度も忘れかけた徳姫との溝が深まって行くのも仕方がなかった。苦悶の続くある日、信康は野で菊を摘む花売のしのに一度だけの愛を与えたが、築山御前と情を通じる鍼医減敬の配下亀弥太に目撃されていた。妻には心の隔りを感じる信康にも服部半蔵、天方、久米ら忠誠の部下があった。信康だけを愛する母築山御前は、怨敵信長を討ちとるようにと老巫女梓を供に持仏堂に籠り、信長・徳姫父子の呪殺を祈願していたが、亀弥太の情報から一計を思いつき、しのに今川家を建てる男子を孕ますべく侍女小笹と名を変えさせて信康の身辺に置いた。母の企みに気ずいた信康にもまして徳姫の打撃は大きかった。築山御前の謀略は意外に大きく減敬らを使い、武田方に織田徳川の情報を売ろうとしていたことも明らかになった。「母上が信康の母でさえなければ斬り、父上が信康の父でなければ討ちます。生きるに生きられぬ思いはこの信康……」と絶句、障子の蔭で立ち聞くしのと梓を一刀で仕とめた。徳姫は十二カ条の訴状を父信長に屈けた。夫婦の誤解もとけてひしと抱きあう二人だったが時は遅く、かねてから信康の抬頭を快く思っていなかった信長は、秀吉の入智恵をもって訴状をたてに、信康と築山御前の断罪始末を家康に命じてきたのだった。家を護るために妻と子を死路に追いやらねばならない家康にもまして、信康の胸中は複雑だった。母は既に浜松に護送され信康の死場所も二俣城に決った。介錯は事もあろうに服部、天方、久米。三者三様の慟哭のうちに信康最期の時が訪れた。時に天正七年九月、そして信長が本能寺の変に斃れたのは、信康自刃の二年八カ月後の事であった。
スタッフ・キャスト
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三郎信康萬屋錦之介
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徳姫岩崎加根子
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望月松浦築枝
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小侍従喜多川千鶴
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於莵久我恵子
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小夜三笠乃里子
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若菜山本操子
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かや中条宏美
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さつき吉井鏡子
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一ノ姫梅垣尚子
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服部半蔵東千代之介
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天方山城安井昌二
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久米新四郎片岡栄二郎
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小金吾河原崎長一郎
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薬丸嵐歌之介
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筈丸神木真寿雄
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渋河四郎兵衛進藤英太郎
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浅太遠山金次郎
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伊作片岡半蔵
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竹千代吉岡清孝
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築山御前杉村春子
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減敬河野秋武
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亀弥太中村錦司
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楓風見章子
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こずえ稲村理恵
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阿以菊村光恵
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弥々条ちづる
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梓泉春子
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美津弥生弘子
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くれは松川純子
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織田信長月形龍之介
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生駒主水正大邦一公
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羽柴秀吉原健策
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しの桜町弘子
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お初北沢典子
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酒井忠次明石潮
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大久保忠世香川良介
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平岩親吉三津田健
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井伊直政中村時之介
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本多忠勝浅野光男
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徳川家康佐野周二