機動捜査班

劇場公開日:

解説

警視庁第四課で暴力団関係の事件を追う刑事たちの活躍を描いた日活の「機動捜査班」シリーズ(1961年~63年、全13本)の第1弾。覆面パトカーに乗って内偵を続ける刑事たちの地道な捜査と、警察を出し抜くやくざの謀略、迫力のアクションが人気を博した。同じく日活製作の「刑事物語」シリーズ(1956年64年、全24本)から、警視庁鑑識課に勤務経験のある長谷川公之と、脚本家の宮田達男を共同脚本に迎え、「刑事物語 部長刑事を追え!」の小杉勇が監督を務めた。モノクロームの美しい夜のシーンは、撮影を「事件記者」の松橋梅夫、照明を後に相米慎二作品を多く手掛けた熊谷秀夫。丹波哲郎が不遜な笑いを浮かべる男・小池をミステリアスに演じ、良質なサスペンス映画となっている。

1961年製作/67分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年4月3日

ストーリー

キャバレー『アニタ』でホステス相手に飲んでいた近松組の鈴木が、突然入ってきた男に拳銃で撃たれた。警視庁四課に所属し、覆面パトカーに乗って内偵を続ける機動捜査班の大宮、伊藤の両刑事は無線を受けて現場に直行する。二人は事件の原因は近松組と荒川組の縄張り争いにあると判断。だが、病院で治療中の鈴木が忽然と姿を消してしまう。捜査会議によって、争いが激化する前に芽を摘むべく、近松、荒川の両組長を出頭させて取り調べる。たが、二人の組長はシラを切りとおすのだった。そんな折、近松組の太田と、彼の保釈金を都合した小池という男が連れだって刑務所を出る。久しぶりに親分に会った太田は、近松組のシマが荒川組に荒らされていることを知って憤る。負傷した鈴木が姿を見せると、近松組に転がりこんだ小池までが、荒川組への殴り込みをけしかける。その夜、太田と小池は太田の妹サチ子が働く『アニタ』で殴り込みの算段をつける。一方、荒川組に近松組が殴り込みをかけようとしているとタレこみの電話が入る。にわかに人の出入りが激しくなり、この動きを捉えた大宮、伊藤は荒川組の事務所を監視、近松組にも別の覆面パトカーが張りつくが、夜が明けても何も起こらない。刑事たちが引き揚げた直後、荒川組の事務所にダンプカーが飛び込み、火炎ビンが投げ込まれる。どうしても現行犯で押さえたい警察はほぞを噛む。しかも、杉谷建設と書かれたダンプカーは盗難届けが出ていて、何の証拠も挙がらなかった。そんななか、近松組の鈴木は、荒川組に一人の死傷者も出なかったことから、小池が内通したのではないかと疑う。確かに小池は荒川組に近づき、ある製薬会社が裏で行う麻薬売買に食い込もうと儲け話を持ち込んでいた。数日後、川べりの鉄橋下で製薬会社の社員、丸山の射殺死体が転がる。さらに数日後、荒川組のチンピラが拳銃を手に自殺を偽装されていた。麻薬売買のルートをめぐって一触即発の近松組と荒川組。暗躍する小池は一体、何者なのか。覆面刑事か、それとも、やくざか。近松組と荒川組の本格的な抗争を察知した警察は、警官隊を動員して、両暴力団を一網打尽にしようと計画する。

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