三度笠だよ人生は
劇場公開日:1970年7月25日
解説
“艶歌”の水前寺清子を主演に、くり広げられる人情と笑い。星野哲郎の原案を「東京←→パリ 青春の条件」のジェームス三木と「影の車」の野村芳太郎が脚本化、、監督は野村芳太郎。新進吉田剛が演出を補佐。撮影は「影の車」の川又昂が担当。
1970年製作/85分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1970年7月25日
ストーリー
清水港の松浦政子、通称清水の小政は、キップが良くて、喧嘩っ早く、港中の人気娘である。幼い頃、母に家出され父に死なれた政子は、父の友人大西良市に育てられ、中学を卒業と同時に、角造、千里夫婦の食堂で働いた。彼女の夢は、海員学校に行う弟誠を立派な船員にすることであった。そんなある日、政子とは兄妹の様に育った良市の一人息子、高雄が長い航海をおえて帰ってきた。政子の勇ましい歓迎ぶりは良市を苦笑させ、角造夫妻に見合いを計画させるもとになった。相手はたれ目で気弱そうな男、金助であった。当然のことながら、この見合い、政子の一喝で水泡に帰した。ある日、政子は誠に恋人ヒデ子がいることを知って、愕然となった。だが、真剣に訴える彼女の眼差しを見た時、政子も恋がしたくなった。それからというもの政子の仕草に女らしさが見られるようになった。一方、高雄は良市から政子との結婚話を持ち出され、自分もその気になりつつ、再度の航海に出た。そして、清水にも夏祭りがやってきた。その晩、良市から高雄の嫁にと言われた、政子は一日千秋の思いで、その帰りを待ち望んだ。ついにその日が来た。しかし、高雄の口から、知人の妹を愛してしまった……と告白された政子は、崩れかかる体を、懸命に笑顔で支えた。そして、清水港を一望する丘の上で、はじめて政子の頬を涙が流れ落ちた。