幻想夫人絵図

劇場公開日:

解説

美しい新妻が男に裏切られながらも刺激を求め、彷徨する姿を描く。脚本は「女囚101 しゃぶる」の松岡清治、監督は同作の小原宏裕、撮影は「横須賀男狩り 少女・悦楽」の安藤庄平がそれぞれ担当。

1977年製作/66分/日本
配給:日活
劇場公開日:1977年10月1日

ストーリー

冬枯れの枝を思わせる大内の手が、豊満で美しい妻・緋沙子の肉体に触れる。燃える体をもてあます緋沙子。夫では満足できない緋沙子は、時々強姦による快楽の妄想にかられ、激しく責められる自分の姿を想像する。ある日、刺激を求めてSMショーの芝居小屋に足を踏み入れた緋沙子は画学生・小林和雄と知り合う。元東亜美大の学生だった和雄には、主任教授で緋沙子の夫である大内によって中央画壇から締め出されたという過去があった。和雄の愛人・朱実は和雄の反対をよそに、緋沙子が芝居子屋で忘れたショールをタネにその恨みを払そうとする。和雄の住所が書かれた朱実からの手紙を受け取り驚いた緋沙子は、急いで和雄のマンションを訪ねた。緊縛された女を描く和雄と、あざ笑うように出迎える朱実の異様な雰囲気におののく緋沙子の姿が、朱美の隠しカメラにおさめられた。朱実から送られたその写真を手に愕然とした大内は、緋沙子を冷たく罵る。家を飛び出して安らぎを求めてさまよう緋沙子は、無謀な若者たちの獣欲に身を任せたばかりか、和雄のマンションを訪ねてしまう。緊縛され、朱実に鞭打たれる和雄。そして朱実は容赦なく緋沙子をも鞭打っていく。緋沙子の身の危険を感じた和雄は、緋沙子と共にマンションを抜け出し、緋沙子の父親が使用する狩猟小屋に逃げ込む。ホコリをかぶった狩猟道具を見つけた緋沙子は、これで私をいためつけてと和雄に哀願する。和雄はためらいながらも鞭を持つと緋沙子の体に打ちおろした。恍惚の陶酔が、がんじがらめに縛りつけられた緋沙子の体をはしる。白い肌にくっきり浮かぶ縄目の跡。和雄はその縄目の跡を爪をたて思いきりなぞると、緋沙子は快楽の痛みにのけぞる。狩猟小屋の二人の様相に驚いたハイカーの通報で、警官と緊張を隠せない大内と朱実が駆けつけた。朝の光の中で白肌にくっきりと浮かぶ黒い縄目の跡に大内と朱実はただぼう然とするばかりたった。狂気とかした二人はいたみに麻痺し、乱舞する。眠っていた野獣が目ざめ、野生の姿にもどるかのように、恍惚とする緋沙子の姿に和雄は喜びを感じた。そして、和雄をみつめる緋沙子の目は美しく輝き、あたかも幸福をかみしめるかのようであった。

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