俺の選んだ女
劇場公開日:1976年12月11日
解説
戦災孤児として育ち、自分の腕一本を頼りに、たくましくガムシャラに生きる主人公と、美しい京女との恋、顔も覚えていない母親探し、それを応援する周囲の人々との交流を描いた人情喜劇プラス商魂ドラマ。脚本は「喜劇 おめでたい奴」の花登筐、監督は児玉進、撮影は宇野晋作がそれぞれ担当。
1976年製作/86分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1976年12月11日
ストーリー
角筈亘、二十九歳、SS広告社長。戦災孤児としてただ一人、腕一本で生きてきた男。目的のためなら体当りでぶつかり、どんな事でもする。それが肌で感じとった亘の人生哲学なのだ。しかし、なんとか会社の売り上げを伸ばそうとする亘のやり方は突飛すぎて、警察には頭痛のタネ。そんな亘の恋人・陶子は京女。猛スピードで行動する亘とは正反対のスローペース、いうなれば、古風で優雅な京女そのものなのだ。その陶子の母が二人の結婚にストップをかけて来た。陶子の家柄には、戦災孤児は困るというのだ。せめて、両親の名前だけでもはっきりしなければ、絶対に結婚させないというのであった。昭和二十年四月、空襲の翌日、亘はたった一人で新宿・角筈の四つ角にたっていた。そんな自分がどうやって両親を探せばよいか。亘は悩んだ。そしてその亘に新たに大手の広告代理店が圧力をかけてきたのだ。さすがの亘も今度ばかりはまいってしまった。そんな亘をしった激励してくれたのが吉岡刑事であり、あのおしとやかな陶子であった。陶子は彼のために両親をかならず探し出すことをちかい、奔走するのであった。そんな時、亘は陶子から寿生命が新宿に高層ビルを建てることを聞いた。あの手この手をつくして彼は、重役に会い、必死に高層ビルの宣伝企画案を売りこむのだった。そして陶子から、母親らしい人がみつかったとの朗報がとどいた。しかし、その人は亘の母親ではなかった。しかも、重役との約束を捧にふってしまった彼は、テレビを利用して、親探しという名目でSS広告の名を全国にアピールすることにした。そして、重役には、そうした手段を選ばぬ宣伝の仕方が反感をかってしまった。彼は裸一貫から出なおすことにした。まず母親から探し出すことにしたが、やっと探し出した母親は、なんとその鷲尾重役の夫人になっていた。今の生活を必死にまもろうとする母親の姿には、亘の探しつづけた母親はいなかった。しかし彼には、今では結婚をゆるされた陶子がいる。亘の心は希望に燃えるのであった。