新妻地獄
劇場公開日:1975年12月6日
解説
恐るべき倒錯の世界・SM地獄に魅せられた女たちを描く。原案は団鬼六。脚本は「女高生100人 (秘)モーテル白書」の久保田圭司、監督は「東京エマニエル夫人」の加藤彰、撮影は仁村秀信がそれぞれ担当。
1975年製作/76分/日本
配給:日活
劇場公開日:1975年12月6日
ストーリー
悠久たる利根の流れ。筑波に湧き上る壮大な積乱雲。その下でたわむれる雪路と影井。それから6年。何の音沙汰もなかった雪路が突然、実家に戻って来た。弟の重夫には、影井との仲がうまくいっているというのだが……。雪路は、重夫の友人の画家・田能村に絵のモデルを依頼された。それが“責め絵”と知って激しく抵抗したが、浮浪者風の男たちに、両手を縛られた。羞恥と恐怖に身をよじらせる雪路だが、やがて、凄まじい官能の嵐が駆けぬけていった。ある日、雪路は、相沢と夏子というSM趣味の男女を知った。夏子を愛する相沢だが、彼女の凄じいまでのマゾへの傾斜に恐れを抱いていた。やがて相沢は雪路と愛し合うようになった。しかし、相沢の普通の愛撫では、雪路は一向に燃えあがらず、より激しいいたぶりを求めた。倒錯の快楽の中で、雪路は、かつての影井との暮しが思い出された。雪路は影井と結婚できるようになったのだが、ある日、影井は階段から転落し、下半身不随となってしまった。そして影井は、看病している雪路の足首をロープで縛り、松葉杖で打ちつけたり、影井の屈折した愛憎は、次第に雪路をマゾヒズムに目ざめさせた。そしてある日、影井は首を吊った--。相沢とも愛しあうことのできぬ雪路は、自ら数人の男に犯されることを望むが、雪路のマゾぶりに男たちは呆れかえるばかりだった……。利根の川面を流れにまかせ漂いゆく小舟があった。自ら両手を後手に縛りあげた雪路が坐っている。死にさおさした小舟。雪路の顔は、恍惚の時にも似た歓びの表情に輝いていた……。