メガゾーン23のレビュー・感想・評価
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美少女×メカで1980年代OVAの名作。メガゾーン・知っていますか
1980年代の東京。大都会をバイクに乗って自由気ままに疾走する青年・省吾。街中で美少女・由唯と出会って…。
街中に溢れる当時の若者文化、ファッション、アイドル歌手や歌などのサブカルチャー。
令和時代の今見るとダサくも古臭くもありつつ、新鮮。当時ドストライク世代だった方には青春の懐かしさ。
…と、そんな当時を反映した雰囲気だが、時々違和感。所々、近未来的な感じも…?
その直感は的中。
友人に呼び出され見せられた大型バイク。友人は謎の男たちに殺され、バイクを託された省吾は追われる身に。
このバイクや友人の件をTV局に話そうとするも、バイクのロゴ“バハムート”の名をした途端、放送は中断。
高速道路で軍の追っ手とチェイス。軍の車からロボットが。さらに、バイクがロボットに変形。
さらにさらに、迷い込んだ地下で、巨大な廃都市。
一体これら全ては何なのか…?
そして明らかになる平和に暮らしていたこの世界の驚愕の真実…。
1980年代…ではない。本当は約5世紀も経過しているという。
戦争や宇宙からの謎の敵の脅威により、地球や文明は崩壊。
多くの人々が暮らしている1980年代の街は、“メガゾーン”と呼ばれる巨大都市型宇宙船の中。新天地を求めて今も宇宙を航行。
が、その事実を知っているのはほんの一部。多くの人々は偽りの1980年代の中で平和に暮らしている。
それを管理し、情報や人々の記憶すら操作しているのは、コンピュータ“バハムート”。
コンピュータの徹底管理、機密保持の為手段を選ばない軍、世界の驚愕の真実を知って…。
真っ先に思い浮かぶは、『マトリックス』。しかし本作は、『マトリックス』より14年も前。(1985年の作品)
『攻殻機動隊』など日本のアニメーションから多大な影響を受けた『マトリックス』。本作からの影響もあるかも。
だけど『マトリックス』以上に彷彿は、『超時空要塞マクロス』。
それもその筈、監督の石黒昇他メインスタッフは、『マクロス』チームが再結集。
巨大都市型宇宙船、宇宙からの脅威、変形ロボットや斬新なメカニック、美少女やアイドル歌手や歌…。
若者たちのラブストーリー×SFというジャンルまで。
『マクロス』路線を狙ったのは明白。
とは言え、単なる二番煎じ、二匹目の鰌、パクりではない。
『マクロス』は万人受けの作りだったが、こちらはもっとコアなアニメファン向け。
元々OVA作品。好評を博して劇場でも公開。
若いスタッフが多く、中にはその後のアニメ界のビッグネームも携わり、自由な才気が発揮された。
『マクロス』ではロボット(主人公たちパイロット)と異星人との闘いがメインに対し、こちらはよりポリティカル。バハムートへの反旗、クーデター、それに巻き込まれた主人公…。
恋愛関係も。『マクロス』は焦れったい三角関係。こちらはディープな男女の関係。ディープキス、ラブシーン、ヌードなどアダルトな作風はOVAだからこそ出来た。
戦闘機じゃなくバイクが変形するのも『マクロス』とまた違う。
似通いつつ差別化を図り、本作は本作ならではの斬新さとオリジナリティー。
ベテランスタッフたちによる作画やクオリティーも高い。
知る人ぞ知るOVAの金字塔なのも頷ける。
が、『マクロス』よりエンタメ性や痛快さには欠ける。
作風や設定からも分かる通り、どちらかと言うと大人向け。シリアスでハード。
ラストもハッピーエンドではなく、虚無感漂う。
歌も『マクロス』の方が好きかな。
アイドル歌手イヴはAI。人々に危機を訴え。
街の中に消えた省吾。
由唯との関係。
対立する将校との因縁。
この世界の行く末は…?
一応続きは気になる。
続編はスタッフや作風やタッチが変わると聞いているが…?
『マトリックス』の14年前にこの世界観をセルアニメで構築していたことに驚きました
舞台は1980年代の東京。矢作省吾は街でナンパした高中由唯を強引にバイクに乗せて電話番号をゲットして大喜び。ある日友人の真二に呼び出された省吾は、彼がどこかから盗んできた奇妙な試作バイクを見せられる。そこに謎の男達が現れて真二は殺されてしまう。とっさにバイクで逃げる省吾はそのバイクには驚くべき機能が搭載されていた。
あれ、こんなユルくてダサいお話なんでしたっけ?と思ったところでいきなりその世界は1980年代ではありませんでした的なまんま『マトリックス』的な卓袱台返しでビックリ・・・だってこれ『マトリックス』の14年前の映画ですので。実際マトリックスの1作目と2作目を足して2で割ったような展開を見せて続編にバトンを渡します。これは当時観てたらビックリしたやろなぁ。
ストーリーもかなり攻めたSFですが、結構アダルト寄りの描写が多いのも驚きました。『超時空要塞マクロス』のリン・ミンメイにハートをブチ抜かれた世代なので、美樹本晴彦が描いたキャラがあんなことやこんなこともするのを目の当たりにして盛大に困惑しました。これも当時は相当衝撃的だったことだと思います。
あと当時の東京の風景をかなり細かく再現して動かしているところも驚異的で、これを製作していた現場は地獄だったんじゃないかと他人事ながら心配になりました。
OVAの金字塔!
省吾・由唯たちに、IDOLイヴが絡みラブストーリー+歌の要素によるロボットアニメです。とにかく、ガーランドによるメカアクションがカッコいい!!
イヴのデザインが、美樹本晴彦です。マクロススタッフが作り上げた力作です。
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