装いの街
劇場公開日:1982年7月10日
解説
79年1月21日に東芝日曜劇場で放映されたTVドラマを劇場用35ミリ版にしたもの。手放した娘が成長し、母親と再会した。屈折した少女の心に生活をかき乱される母親の姿を描く。脚本は田井洋子、演出は鴨下信一が担当している。
1982年製作/46分/日本
配給:東映
劇場公開日:1982年7月10日
ストーリー
大館可代子は15歳の中学生。吉野和可子のヘア・ファッション・ショーを食いいるようなまなざしで見つめている。和可子は原宿で美容室を開いているヘア・デザイナーだった。彼女の店に可代子が現われて、カットして欲しいと言う。カットのついでにマニキュアのサービスまでした和可子は、可代子の耳たぶにあるやけどの跡を見て顔色を変えた。若くして結婚したもののうまくいかず、まだ3歳だった娘を夫に取り上げられた形で離婚したのだった。夫とのいさかいの際に夫が投げたタバコが娘の左耳に落ち、ひどいやけどを負わせたことがあったのだった。もしやこの娘は……と思う和可子。美容室で意気投合した若い男の子と喫茶店に入り、「今夜……泊まる?」などという会話をかわしている可代子を見て和可子は夢中で男の子を追払う。自分の店に連れて帰った後、カバンの中のノートに“大館可代子”の名を見つけ出した和可子はガク然とする。その日から、和可子を恋している善良な年下のカメラマン増村と可代子は和可子をめぐって激しい火花を散らすようになる。一方、可代子の父大館は今やスーパーを三軒経営する実業家にのし上がっており和可子に手切金を渡そうとする。拒絶した和可子は青森へ帰って実家の写真館を継ぐという増村に愛を告白する。ある日、店のガラスに可代子の顔が見えた。急いで店を飛び出す和可子、しかし可代子の姿はもう見えなくなっていた。