1000年女王のレビュー・感想・評価
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九州男児の昭和ロマン
令和にまさかのBS放送。松本零士ブームの終盤。宇宙戦艦ヤマトに心酔し、999のハーロックに憧れた少年時代の終わり頃、劇場で観ましたよ。
ただね。その当時、既に松本アニメへの熱量は消えかけていて、この映画もこの後続くわが青春のアルカディア、ヤマト完結編も、かつて夢中になっていた作品の最期を看取るような気持ちで観ていました。
何故なら、1000年女王と同時期公開の「めぐりあい宇宙」に全ての熱量を持って行かれてしまった後だったから。
あらためて観返して思った。センスが古い事は仕方無い。男女の価値観も今とは違う見方が必要。
ガンダム以前、ガンダム以後の作品で大きく変わったのはリアリティレベル。ガンダム以前の作品を今視聴する際、それが「ツッコミ所」になってしまう悲しさ。
昔話やおとぎ話レベルの明確なストーリーライン。
それらを許容出来れば楽しめるかもしれない。
松本アニメも旧ヤマトも、少年時代の色褪せたアルバムのようなもの。あの時のトキメキを確かに思い出せるけど、もう二度と感じる事は出来ない・・・あ、突然懐かしい唄の歌詞が出てきた・・・
地球讃歌!この美しい星と共に・・・
「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」を始めとする松本零士先生の作品が、当時一大ブームでしたね〜。そんな中での本作品、勿論、映画館の大画面での鑑賞だったんですが、あんまり良い印象は無いです。内容も全く覚えていませんでした。
今回、BSで放送されたのを録画して、40数年ぶりの再見なんですが・・・
ファンの人、ごめんなさい。やっぱり自分には合いませんでした。
松本零士先生定番の、黄髪(金髪?)長髪で切れ長の目の超美人、見るからに主役とは思えないチビでさえない少年が今回も大活躍です。
ビルが立ち並ぶ近未来の風景から始まるのですが、舞台の場面となるのは1999年の世紀末。公開当時は未来でも、今では過去と思うと感慨深いものもあります。昔から描かれる近未来の風景は、いつ実現するんだろう。
さて、本作品は、異星人の1000年女王が、母星にはむかい、地球の人々を守ろうとします。
切ない話とは思いましたが、あまりピンとこなかった。
超絶的世界観、それを支える喜多郎、更に
壮大なメーテル物語の序章か?
1999年の東京。高層マンションの一角に住んでいる雪野弥生はメーテルかと勘違いしてしまいそうになる(裏設定ではメーテルの母親が1000年女王)。地球を見守るラーメタル人の1000年女王の一人ラー・アンドロメダ・プロメシュール二世。天文台では巨大惑星ラーメタルの接近により地球が砕け散ると予測していた。
『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』のヒットも80年代に入ると松本アニメブームは終わりに近づく。それを世紀末思想という武器で復活を狙った作品という位置づけだ。地球侵略を狙うラーメタル人なんて設定は、松本アニメに共通のテーマかもしれないが、やはりここでも平和的解決を望む主人公の1000年女王という存在がある。地球人は“猿”呼ばわりされていて、好戦的だと言ってることもテーマとしてはいい。しかも、どうみてもラーメタル人も好戦的なのだ(笑)。
最後には1000年女王=雪野が死んでしまうということで泣かせようとするし、永遠のヒロイン像を追い求めている作者の意図が見え隠れする。さらにTV版『999』の星野鉄郎に似せたキャラの雨森始(戸田)。年上の女性への憧れというテーマも『999』に通ずる。
接近するラーメタルから降り注ぐ隕石や、地球の地割れ、そして箱舟などは迫力ある描き方だけど、シーン編集がイマイチで、どうも緊迫感が足りない。人間を描く映画なら、もっと人間の心を織り込まねばいかんでしょ。まぁ、終盤に歴代の女王(ヒミコ、楊貴妃、クレオパトラなど)5人が復活するところはちょっとだけ萌えた。
激しい戦闘が続く中、反物質反応、暗黒太陽など興味深いワードも登場するが、当時はダークエネルギーやダークマターの仮設が立てられていなかった時代。また、銀河同士の衝突は星の距離が長いために実際にはぶつかる可能性は低いといったウンチクも聞くことができるのです。そして、終盤のセレンの言葉「生まれ変わりがあるならば二人は結ばれることだろう」からしてもメーテル関連の事実を知りたくなってくる。
あの頃少年だったファンもみな大人になってるんだから、セクサロイドあたりをアニメ化してはいかがだろうか・・・もう少年じゃなくなったおっさんのため息とともに・・・
ジュブナイル
地球を擁護するは美しき女王
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