1000年女王のレビュー・感想・評価
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超絶的世界観、それを支える喜多郎、更に
壮大で超絶な世界観がめちゃくちゃわかりやすくしみてくるのは、明らかに素晴らしい音楽が鳴り響いているからと確信する。
正直絵そのものの魅力はそれほど感じないけれど、トータル的な世界観による吸引力がものすごくて、物語なんかもそんないいもんではないと思ってしまったけれど。最後に先生の顔を見ての台詞で予想外の悲しみにおそわれてしまったのは、全てこのワールドの成す術だとただただひれ伏すのみ。久々あのテーマ曲を聴きたくなってしまいます。
壮大なメーテル物語の序章か?
1999年の東京。高層マンションの一角に住んでいる雪野弥生はメーテルかと勘違いしてしまいそうになる(裏設定ではメーテルの母親が1000年女王)。地球を見守るラーメタル人の1000年女王の一人ラー・アンドロメダ・プロメシュール二世。天文台では巨大惑星ラーメタルの接近により地球が砕け散ると予測していた。
『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』のヒットも80年代に入ると松本アニメブームは終わりに近づく。それを世紀末思想という武器で復活を狙った作品という位置づけだ。地球侵略を狙うラーメタル人なんて設定は、松本アニメに共通のテーマかもしれないが、やはりここでも平和的解決を望む主人公の1000年女王という存在がある。地球人は“猿”呼ばわりされていて、好戦的だと言ってることもテーマとしてはいい。しかも、どうみてもラーメタル人も好戦的なのだ(笑)。
最後には1000年女王=雪野が死んでしまうということで泣かせようとするし、永遠のヒロイン像を追い求めている作者の意図が見え隠れする。さらにTV版『999』の星野鉄郎に似せたキャラの雨森始(戸田)。年上の女性への憧れというテーマも『999』に通ずる。
接近するラーメタルから降り注ぐ隕石や、地球の地割れ、そして箱舟などは迫力ある描き方だけど、シーン編集がイマイチで、どうも緊迫感が足りない。人間を描く映画なら、もっと人間の心を織り込まねばいかんでしょ。まぁ、終盤に歴代の女王(ヒミコ、楊貴妃、クレオパトラなど)5人が復活するところはちょっとだけ萌えた。
激しい戦闘が続く中、反物質反応、暗黒太陽など興味深いワードも登場するが、当時はダークエネルギーやダークマターの仮設が立てられていなかった時代。また、銀河同士の衝突は星の距離が長いために実際にはぶつかる可能性は低いといったウンチクも聞くことができるのです。そして、終盤のセレンの言葉「生まれ変わりがあるならば二人は結ばれることだろう」からしてもメーテル関連の事実を知りたくなってくる。
あの頃少年だったファンもみな大人になってるんだから、セクサロイドあたりをアニメ化してはいかがだろうか・・・もう少年じゃなくなったおっさんのため息とともに・・・
ジュブナイル
古き良きサイエンスファンタジーなんだけど、未来を想定する世界観と、そこで生きる少年の視点が、うまい具合に絡み合っていてそこだけは引き込まれる
わたしにはまだしなければならないと言う千年女王だけど、この千年間は一体ナニしてたのか?とは思ったら女王にとっての千年って短いらしいね
色々発展している世界観なのに窓拭きはアナログなんだ…とかそういう大味設定が好き(*^ω^*)
地球を擁護するは美しき女王
「竹取物語」をモチーフにした松本零士アニメ。
遊星ラーメタルから派遣され、“1000年女王”として地球を見守り続けて来た弥生。
だが、ラーメタルが地球侵略を企てている事を知り…。
同じ松本零士の「宇宙戦艦ヤマト」や「キャプテン・ハーロック」のような活劇を期待すると肩透かしを食らう。
1999年という時代設定、地球滅亡の危機など世紀末感漂う。
地球と母星の間で悩み、地球を守る為戦う道を選ぶ弥生の姿は悲壮感漂う。
生命の尊さ、星や宇宙の神秘など、「銀河鉄道999」を彷彿させる印象。
黄金の長髪の美女と少年の構図も。
1000年女王=弥生を信じる始少年の姿に希望の光が込められている。
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