ヨーロッパのレビュー・感想・評価
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意外とロマンティック
フォントリアー作品を1作目から観ていって
この作品みてエレメント・オブ・クライム、エピデミックでどんなことをしたかったのか分かった気がした。
フォントリアーの近作から観ていると
鬱映画、胸糞悪いとかのイメージ強いけど
旧作から観ていくとずいぶんロマンティックな人なんだなと思った。そして古い映画への愛を感じる。
この作品90年代の作品に見えないもんな。
あと1作目から今作まで全て、映画が観客に暗示をかけてくる(もしくは、催眠術師みたいなのがいる)の面白い。ヨーロッパに至っては特に直接こっちに暗示かけてくるやん。ってちょっと笑っちゃったけど、これは映画館で観たら没入観あって楽しい体験になりそうって思った。
DVDで鑑賞
前衛的で私的な映像詩
映画業界きっての前衛監督であるラース・フォン・トリアーの作品を観るには心の準備が必要だ。 何故なら、今まで体験したことの無いような映像がそこに展開されるからである。 今作は彼の作品の中でもより私的感覚に満ちている。 殆どが列車内という閉塞的な場所で展開されるストーリーはトリアー自身の恐怖症の部分と重なってくる。 緻密に計算され組み立てられた映像美とフォン・シドーのナレーションによって私達は催眠術の如くヨーロッパの幻影に誘われる。 しかし、そこにヨーロッパは存在しない。在るのはヨーロッパという媒体に映し出された芸術家トリアーの心であり、ヨーロッパから抜け出すことの出来ない彼の感覚の追体験である。
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