上から下まで

解説

G・W・パブストが「今日の男性」の前に「ドン・キホーテ(1933)」に次いで監督製作した映画。原作はラディスラス・ブシュ・フェケテの戯曲で、脚色はアンナ・グマイナー、撮影は「アトランティド」のオイゲン・シュフタンがそれぞれ担任した。主演者はフランスで評判のジャン・ギャバンで、「乙女の湖」のミシェル・シモン、「別れの曲」のジャニーヌ・クリスパン、シャンソニエのモーリセエ、の三人が重要な役を勤めて共演する外、「今宵こそは」のマルゴ・リオン、「乙女の湖」のウラジミール・ソコロフ、「M」のペーター・ローレ、「女優ナナ(1926)」のカトリーヌ・エスラン、舞台女優のポーリーヌ・カルトン、ミリー・マチス、モルトン、クリスチアーヌ・ドゥリーヌ等が助演している。音楽は映画中の一曲を除くほかはマルセル・ラテスの担任で、台詞は劇作家ジョルジュ・トレエが執筆した。

1933年製作/フランス
原題:Du Haut en Bas

ストーリー

この物語はウィーンの町にある一つのアパートとその中庭とを舞台として展げられる。このアパートの管理人の甥シャルル・ブーラはウィーンの蹴球チームの花形で、有閑マダムから女中に至るまで、女達に大持てだった。そして近くのキャフェの跡取り娘ポーラなどは殊に彼に言い寄っていた。ところで、このアパートに立派な邸を構えているバンデル家の女中ミリーは主人の留守に情夫のマッサージ師を室に引入れた事から首となり、その代りにマリーという新しい女中が来た。マリーは実は女学士の免状を以ている教養ある女なのだが、職がないので亡父の旧友でここで周旋屋をしているベルジェに頼み、バンデル家に働かせて貰ったのである。シャルルはマリーに恋を感じ、押し強くして彼女に言い寄った。すると女の方でも学問こそないが、一途でまっとうな男の良さを認めるに至り、毎晩、夕食後、マリーはシャルルに学問を教えてやることとなった。だが、この間でも、アパート内では色々の出入りがあり、妙な乞食が現われたり、また赤貧洗う様な貧乏の癖に大言壮語している弁護士ポドレッツが下宿の主婦から追出しを食い、危い所を日頃から彼を崇拝しているバンデル家の料理女ポルディに助けられたり、それから又、細君の留守にバンデルがマリーに言い寄ってハネつけられたりの事件があった。だが、やがてマリーはザルツブルグで教師の職があるとベルジェに知らされ、バンデル家から暇を取ろうとする。ここでマリーが偽名していたことから彼女は女泥棒と間違えられるが、その誤解もとけ、マリーはシャルルと別れてザルツブルグへ発つ。だが一方、シャルルも次の蹴球の試合を先ずザルツブルグで行うことにして跡を追う。そして間もなく、マリーとシャルルの婚約の報知がこのアパートに伝わって来た。そして丁度その頃、ドシャ降りの雨の日、このアパートでもポドレッツとポルディとの結婚式があげられた。ポルディが小金を貯めていたからである。

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