嫉妬(1925)

解説

「ニュウ」の監督者パウル・ツィンナー氏が原作並びに脚色したものを「蠱惑の街」「エックスプロージョン」等と同じくカール・グルーネ氏が監督したもので、撮影者も前二作品と同じくカール・ハッセルマン氏である。主役は「プラーグの大学生(1926)」「タルチュフ」等出演のヴェルナー・クラウス氏、「恋は盲目」等出演のゲオルク・アレクサンダー氏、それと在独時代に「ヴァリエテ(1925)」「マルヴァ」等に主演しアメリカに渡ってからは「神我れに二十仙を賜う」等に主演したリア・デ・プッティ嬢、とこの三人の腕利き揃いで、三角関係を描いた興味深い映画である。無声。

1925年製作/ドイツ
原題または英題:Jealousy Eifersucht

ストーリー

夫と妻と友人とこの三人が劇場で、一緒に芝居を見た。その芝居は、この三人の三角関係の第三番目に立つ友人が書き卸したもので、大詰になると嫉妬に燃えた男が女を殺すというのであった。「嫉妬で人を殺すなんて、今時流行らないことだよ」夫はそう言った。妻はこれを試そうと思った。で、妻はその日から怪しい素振りを示した。毎朝、未知の男から美しい花環が、妻のもとへと届けられる。これが重なって来ると、夫は到頭いらいらする様になった。嫉妬し始めたのである。ところが、ある日のこと、妻は夫の時計に細いブランドの髪の毛が、二筋三筋かかっているのを発見した。ここで情勢が一変したわけだ。疑い、嫉妬し、監視するのは、今度は妻の番になった。で、彼女は夫の身の廻りに、それとなく鋭い目を配る様になった。遂には、夫に宛てられて来た手紙をも開封する様になった。その手紙を開封し出して妻は遂に恐ろしい夫の秘密を嗅ぎつける様になった。仰天した彼女は、家を出て行った。それを夫は妻が恋人と逢引に出かけたのだと勘違いして、その跡をつけて行った。妻は、とある家に入って幼い子供に会う。子供は妻のことを「ママちゃん」と呼んでいる。夫は妻が不義の子を隠していたのだと信じて、嫉妬に前後を忘れて妻の言い訳を耳にも入れず、夢中で彼女の首を絞めにかかった。そして、もし、その時友人が彼等を訪ねて来て夫を押し止めなかったならば、妻はきっと絞殺されてしまったに違いなかった。友人の説明によって総ての事情が判明した。事実は、その子供の父親は夫であったので夫は妻と結婚する前にその子を生み、妻に隠して里子に預けていたのであった。夫は妻の優しい心根を一時たりとも誤解したことを恥じた。彼は結婚生活の根底は相互的な信頼であることを知った。

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