河の女

劇場公開日:

解説

イタリアの作家アルベルト・モラヴィア(「ローマの女」の原作者)と、エンニオ・フライアーノの協力による書きおろしストーリーをバジリオ・フランキーナ始め六人が共同脚色し「O・K・ネロ」のマリオ・ソルダーティが監督した。撮影は「われら女性」のオテロ・マルテリ、音楽はアンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノとアルマンド・トロバヨーリが夫々担当している。出演は「ナポリの饗宴」のソフィア・ローレンを始め映画初デビューのリック・バッタリア、ジェラール・ウーリー、リーゼ・ボウルディン、エンリコ・オリヴィエリなど。

1955年製作/イタリア
原題または英題:La Donna Del Fiume
配給:コロムビア
劇場公開日:1956年1月6日

ストーリー

ジーノ(リック・バッタリア)はトロール船で漁もやれば、密輸もやるというタフな男だが、名うての女蕩しでもあった。村で踊りがあった日、ジーノは森の近くから見物にきたニイヴェス(ソフィア・ローレン)に目をつけ、喧嘩騒ぎから救い出すふりをして森の奥深くへ連れ込んだ。彼女の小屋で陶酔の三日間を過したあと、魚工場へ帰ったジーノはニイヴェスのことなどもう念頭になかった。彼女は捨てられたのだ。数カ月経った秋のある日、身重のニイヴェスにジーノを密輸業者として摘発しろと迫ったのは、かねて彼女に想いを寄せている警官エンツォ(ジェラール・ウーリー)である。ニイヴェスはそれを拒み、ジーノに知らせるが、脅迫にきたと誤解したジーノは侮辱の言葉を投げつけたので、心乱れた彼女は警察に駈け込んだ。逮捕に向った警官を傷つけたため、ジーノは五年の刑をいい渡された。二年後、ポー河の河口で働いているニイヴェスを訪ねてエンツォは、ジーノの脱獄を告げた。そんなときニイヴェスの愛児トウーニンが突然行方不明になった。エンツォはジーノの仕業だと睨み、村人たちもジーノを探すうち、河中からトウーニンの溺死体が発見された。復讐の念に燃えて脱獄したジーノも、わが子の死を眼前にしては神妙に縛につくのだった。翌日、今は亡き愛児の野辺の送りの途中、柩につき添うニイヴェスは警官に曳かれてくるジーノの姿に思わず走り寄って、その胸に縋った。ジーノも深い悲しみにとざされていた。ジーノの真実の愛を知ったニイヴェスは彼の帰りを心待ちに、生き抜くことを決意した。

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