イワン雷帝(1946)

劇場公開日

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解説

本年二月十一日革命的映画芸術家として多彩な生がいの幕を閉じたセルゲイ・M・エイゼンシュテイン--いうまでもなくフセヴォロド・プドフキンとならび称され、ソ連最大の映画作家として、またモンタージュ理論の完成者として著名--のこれは最後の作品である。一九二五年「ストライキ」を発表して以来、「戦艦ポチョムキン」(別名「世界を震がいさせた十日間」)、「全線」(別名「古きものと新しきもの 全線」)、「メキシコの嵐」、「アレクサンドル・ネフスキー」等で名声を博したエイゼンシュテインの長篇作品で、シナリオも彼自身の手になる。この作品は元来三部作の構想をもって企画されたものであり、彼はその準備と製作に各々三ヶ年の期間を費し、ようやく第一部と第二部を完成し、第三部の準備仲に卒然として逝いたのである。なお第二部は彼の歴史的解釈の誤りが指摘されたため、若干の改変が加えられたといわれており、また英国ではこの作品が政治的な思惑で上映禁止の処分をうけたというエピソードもつたえられている。撮影はロケの部分をエイゼンシュテインの全作品の協力者エドゥアルド・ティッセ、セットの部分を「新人ワヴィロン」「一人」等のアンドレイ・モスクヴィンがそれぞれ分担した。作曲のセルゲイ・プロコフィエフは世界的な作曲家であり、「キージェ中尉」以来映画音楽でも積極的な活動をしている。「アレクサンドル・ネフスキー」における彼の作曲はすでに映画から独立した交響楽としてもひろく演奏されている。美術のシピーネリは日本でも公開された「白夜」をはじめ多くの作品に才腕をふるっている人である。主役のニコライ・チェルカーソフはレニングラードのプーシキン記念アカデミイ劇場の専属俳優で「詩人と皇帝」「バルト代表」「ピョートル大帝」等に出演しており、またメイク・アップの名手として知られている。リュドミラ・ツェリコフスカヤは「モスクワの音楽娘」の女主人公で、現在はルーベン・シーモノフ・オペレッタに所属しており、「四つの心臓」「双生児」等の映画にも娘役として活躍している。セルフィマ・ビルマンはレニングラード・ドラマ劇場の老女優で映画はこれが初出演、パーヴェル・カドチニコフはやはり「モスクワの音楽娘」に主演している。その他「人生案内」のミハイル・ジャーロフ、ソ連人民俳優アンブロシー・ブーチマらが出演しているが、もっとも異色あるキャストは「母(1926)」や「アジアの嵐」の作者として著名なフセヴォロド・プドフキンが一俳優として狂信者にふんして出演していることであろう。黒白・部分カラー・スタンダードサイズ。

1946年製作/ソ連
原題:Ivan, the Terrible Ivan Groznyi
配給:アルマ・アタ映画

ストーリー

(第一部)十六世紀中葉のロシア。イワン大公(ニコライ・チェルカーソフ)は世襲貴族達の分割政治を打破し、専制君主による帝政の確立を計った。戴冠式に次いでイワン皇帝はアナスタシア(リュドミラ・ツェリコフスカヤ)を王妃に迎えた。イワンの伯母はその子ウラジミル(パーヴェル・カドチニコフ)を帝位につけようと大衆の指導者マリュータをそそのかし、イワンへの謀反を画策した。だが、皇帝の祖国愛にうたれ、暴徒達は皇帝へ忠誠を誓った。そして外敵カザンらを下し、イワンはその皇帝の地位を確固たるものにした。だが皇帝はモスクワ帰還早々、重い病床についてしまった。一子ディミトリーをもうけていたので彼を皇帝の座に就かせようとしたが、エフロシニアは、ウラジミルを皇帝にせんと、必死の画策を計った。が、イワンは奇跡的に回復した。皇帝はもはや貴族団を信用しなくなった。そのことは同時に貴族団との離反を招く結果になった。エフロシニアは、王妃を皇帝から奪うため毒殺した。同時に遠征軍の敗北が報らされ、信頼していた部下の裏切りもあった。失意のイワンはいったんモスクワを捨て一般民衆の支持を待った。(第二部)モスクワに帰ったイワンは、精力的な政策を画した。が、貴族団は皇帝への反逆の狼火をあげた。この頃になって王妃の死が毒殺であったことを知った。エフロシニアは今やイワン殺害を計っていた。ある酒宴の夜、ウラジミルに刺客をつけて宴会に送りこむが、事情を知ったイワンはウラジミルに皇帝の正装をさせ、刺客は間違ってウラジミルを殺してしまった。エフロシニアは半ば発狂した。国内の邪魔者を抹殺したイワンは、外敵との戦いを神に誓ったのであった。

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映画レビュー

4.0重厚感そのもの

2014年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

エイゼンシュタイン監督を『ポチョムキン』に続いて鑑賞です。やっぱり、すごいです、エイゼンシュタイン。ほとんど固定で撮られたショットの積み重ねで圧倒的な画力で迫ってきます。これをスクリーンで観たら、どんなにかと想像しちゃいますね。
カザン侵攻のシーンなんかも、全然最近の戦闘シーンと撮り方が違いますが、兵士が続々と城壁に向かって攻め込むところを固定で撮ったりすると、妙に興奮してくる感覚がありました。今どきの画面が揺れまくるということでもたらされる興奮とはまったく異質のものを感じましたよ。

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チャーリー
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