「描写の問題ではなく、目を逸らしたくなるような辛い現実」ウンベルト・D 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
描写の問題ではなく、目を逸らしたくなるような辛い現実
『老人と犬』って邦題付けたくなる、イタリアのネオリアリズモ映画(初めて聞いた)。
ヴィットリオ・デ・シーカ監督は『ひまわり』の監督と知り、納得。
確かに主人公像は似てるかも。
さらに、キャストのほとんどが演技素人だと知り、驚き。
確かに、リアクションが大袈裟で、演技も上手いという感じではなかった。
イタリア映画っていうと、明るく華やかなイメージがありますが、やはりこういう映画もあるんですね。
モノクロ映画特有の間の取り方もあって、少し映画全体が長く感じましたが、後半のただただ悲しいウンベルト・D・フェラーリとフライクの物語は名作と言わざるを得ません。
保健所でフライクを血眼になって捜すところのフライクへの一途な気持ち、踏切のシーンからの歩いていくフライクの背中。
ベストアクトはフライク役のワンちゃんで。
それにしても、両替のために買ったグラスをその場で割り捨てるところと、全く無意味な踏切には笑ってしまいました。
当時の踏切ってあんなもんなの?それよりモロ轢かれようとしてる人がいたら止めるでしょ!
また、動物愛護的に今じゃ考えられないような動物の扱い方もあってびっくりしました。
これと同じく辛そうだけれど、『靴みがき』や『自転車泥棒』も挑戦してみたいと思いました。
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