戦争 はだかの兵隊

劇場公開日:

解説

第一次大戦のイタリア軍隊を背景に、兵士たちの人間ドラマを描いたもの。脚本は、「三月生れ」のコンビ、アージェ、スカルペッリに、「鉄道員」のルチアーノ・ヴィンセンツォーニと監督のマリオ・モニチェリの共同。モニチェリの作品は日本では初めて。撮影は「白夜(1957)」などのジュゼッペ・ロトゥンノと「崖」のロベルト・ジェラルディが共同で担当した。出演はヴィットリオ・ガスマン、「ベニスと月とあなた」のアルベルト・ソルディのほか、シルヴァーナ・マンガーノ、ベルナール・ブリエ、フォルコ・ルリ、ロモロ・ヴァッリら。製作ディノ・デ・ラウレンティス。一九五九年ヴェニス映画祭グランプリ受賞作品。

1959年製作/イタリア
原題または英題:La Grande Guerra
配給:東和
劇場公開日:1960年4月26日

ストーリー

一九一七年、イタリア軍はオーストリア軍の攻撃で敗退を重ねていた。--徴兵所で前科者のジョバンニ(ヴィットリオ・ガスマン)は衛生兵オレステ(アルベルト・ソルディ)に目をつけ、買収して、徴兵を逃れようとした。が、相手はただのネズミではなく、金をだましとられた。入隊させられ、激しい訓練を受けた。前線送りの汽車の中で、オレステに出会い、追いかけたが、結局二人はコンビになることになった。チリアーノの町の宿舎で、彼らの隊は前線からひきあげてきた隊と合流した。温厚なガリーナ中尉や兵士ボルディン(フォルコ・ルリ)などがいた。町にはただ一人の女性コスタンチーナがいるが、ジョバンニは言葉たくみに家にはいりこみ、ものにしてしまった。が、敵もさるもの、彼の財布は抜き取られていて、気づいたのは、部隊の前線出発の時だった。--壕は敵前二百米。ジョバンニは鉄条網を切り開く役に指名されたが、ボルディンが代役を引き受けた。彼はそんな金を家族に仕送りするのだ。突破口が開き、突撃になった。その最中に、彼ら二人は電話線敷設の役目を果した。彼らの隊の強行策が成功し、戦いは勝利に終った。犠牲は大きかったが。雨季がき、雪にかわり、また春がきた。ガリーナ隊長は頑強な陣地を構築するため、彼ら二人に、鉄条網と杭を、師団本部の倉庫に取りにやらせた。ジョバンニは仕事をオレステにおしつけ、コスタンチーナに会いに行く。その夜、敵の猛砲撃が彼らの部隊に加えられるのが見えた。翌朝帰った時、陣地は無残にふっとび、ボルディンたち多数の兵士が死んでいた。--部隊は休暇命令で後方の町へ帰った。ボロボロの兵士たちが人々を驚かせた。オレステは歓迎会の席上で金を集め、ジョバンニと遊びに行こうとしたが、ボルディン夫人が夫を探しているのに会った。彼が死んだとは、彼らもいえなかった。集めた金を夫人に渡した。--イタリア軍の敗退は続いた。避難民のごったがえすポンテ・サン・フェデレの町で、ジョバンニはなつかしいコスタンチーナに出会った。それが別れになろうとは、二人とも思わなかった。--最後の抵抗線・ピアヴェ河畔の旅館に配属された。カステリ守備隊長(ベルナール・ブリエ)は二人を砲兵隊へ連絡にやった。仕事を果し、酒を飲んで砲兵隊の馬小屋に寝た。その間、部隊は後退し、敵軍が入ってきた。スパイとして二人は引き出された。オレステがイタリア軍が河にかけた橋のことをつい話してしまい、その所在を追求された。言わねば銃殺。二人は一度は言う気になったが、ジョバンニがふみとどまった。彼がまず銃殺され、臆病者のオレステも、何も知らねえと叫びながら撃たれた、二人の身体は並んで横たわった。--反撃に成功したイタリア軍が死体の横を怒涛のように通りすぎた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第32回 アカデミー賞(1960年)

ノミネート

外国語映画賞  
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