相続人(1973)のレビュー・感想・評価
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金持ちの悲劇
新聞社や鉄鋼会社を経営する巨大企業コーデル・グループの社長ユーゴ・コーデルが、飛行機事故で死亡した。ユーゴの1人息子のバートは勤務先のアメリカからフランスに戻るが、彼が相続する遺産と権力を巡っての陰謀が始まった。バートはグループ企業を大胆に刷新すると同時に、両親の死に不審を抱き調査を始めた。やがて、グループ乗っ取りを狙う黒幕が明らかになる、という話。
ジャンポールベルモンドの渋さが光るが、ひとりで動きすぎかなぁ。最後はあっけなかったし。
こんな終わり方も有るんだと感心したが個人的には好きじゃない。
金持ちの悲劇、なのかも。
バートの息子は操り人形になるんだろうな、って思わせるラストだった。
なんと!ベルモンド・ノワール!?
ベルモンド初心者の私としては、
今回も派手なアクション期待。
cool気取ってまた飛んだり跳ねたり
なんでしょ?
なんてタカくくってしまい、
ごめんなさい、、、でした。
いやー、懐深いって!
超富豪の相続人の息子が何を
見せてくれるか?と思ったら
なんともキナ臭い社内パワー
ゲームや、なんと政治思想団体を
巻き込んでの謀略!
風呂敷が拡がるファッサァ〜と
言う音が聞こえてきます。
おいおい大丈夫か?なんて危惧は
余計なお世話。
たしかになんちゃって感、ハテナ
展開あるものの、しっかり作られて
ます。
でも、あれ?これなんなの?
どーなんの?って
先が見えてこない面白さ、、、
あるじゃん!!!あるじゃーん!!
好都合スタッフが次から次にでてくる
のはご愛嬌。
ベルモンド様、スーツがビシッと決まり、
身体は使わず頭を使うアクション。
ダブル・オー・ベルモンドよろしく
女性にもムフフしちゃいます。
いーね、いーね、こー言うのも!
ベルモンド様、黙って考え込んだ顔は
何気にいーじゃん、雰囲気あるじゃん!
部下に指示出す剛腕キャラ合ってるな。
全体的にノワールっぽくなっていて、
初心者の僕には発見だらけで、
めちゃくちゃ楽しんじゃいました。
これまで観た作品の中で一番ストーリーが
濃密でした。
ラストは賛否ありそうですが、
ノワールノリならあれが良いです!
まさかの、まさかの!次世代に続く!
抑えたベルモンド、気に入りました。
秀作です!
ベルモンドに学ぶスーツの着こなし
大富豪の御曹司のベルモンドが、父親の死の真相を探るサスペンスで、いつもの明るい笑顔を封印して、人格的にどこか問題あるクセの強い男を演じてます。映像や音楽はスタイリッシュだし、お話しもノワール的な雰囲気で面白いんだけど、なんか最後はあっけないです。お話しをもっと深掘りすれば、もっと面白くなりそうで残念。それにしても、ベルモンドのスリーピースのスーツの着こなしは、颯爽としてかっこよかったです。衣装はイヴ・サンローランのデザインで、さすが油断できないベルモン道。
薔薇の本数
豪華車両のカーテン閉めながら女性に「セックスしよう」と言う役柄ー!とビックリした。拒否されて女性と二人でまたカーテン開けたのはかわいかったけど。その女性、リザとの関係は良かった。頬叩き合いも薔薇を贈るなら何本?の会話も良かった。奇数なのはそうだけどそんなに細かく意味あるのかな?赤い薔薇1本が一番だと思う。だからリザは1本。決定的な証拠が分かったのも薔薇1本。ローレンにはホテルの部屋が埋まる程の薔薇をベルモンドは送った。ローレンの正体、分かってたからだろうな。
頭が良くてスポーツマン(ベルモンドのラグビー姿は初めて!)でお洒落で女にもてて、まではいいけれど、超お金持ちの御曹司役はベルモンドにあんまり似合わない。でも「御曹司」と「相続人」はまるで異なる意味であるのがこの映画のキモだ。ベルモンドは後者に徹し、まだ子どもの息子にも言い聞かせていた。相続人は孤独だ。この映画は主人公の追想場面が結構挟まれていて私が知っているベルモンドの映画とかなり毛色が異なる。
親友のダビッド(シャルル・デネ!「恐怖に襲われた街」の警察同僚だったかな)とじゃれ合ったりタッグを組むのはとても良かった。キュートでおしゃべりで笑顔のベルモンドが足りなかったのは残念だったけれど。
眠るときいつも自分の手で目を閉じていた。最期はそれをダビッドがやった。悲しかった。
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