鍵(1984)

劇場公開日:

解説

谷崎潤一郎の原作を40年のヴェニスに置き換え、夫婦の愛の行方を描く。製作はジョヴァンニ・ベルトルッチ、監督・脚本は「カリギュラ」のティント・ブラス、撮影はシルヴァーノ・イッポリティ、音楽はエンニオ・モリコーネが担当。出演はステファニア・サンドレッリほか。

1984年製作/116分/フランス・イタリア合作
原題または英題:The Key
配給:松竹富士クラシックス
劇場公開日:1989年5月27日

ストーリー

時はファシズムの嵐が吹き荒れようとしている第二次大戦前夜のヴェニス。当地の美術大学の老教授ニーノ(フランク・フィンレイ)は、美しさと大胆な肢体の持ち主でありながら、いまだに貞淑でつつましやかな妻テレサ(ステファニア・サンドレッリ)を、何とか本当のエロティシズムの世界へ誘い出そうと秘密の告白を日記に書き連ねる。そしてそのみだらな告白を、鍵のついた引き出しに入れ、テレサに盗み読みさせるために、鍵を無雑作に置いておくのだった。やがてその反応は、娘リサ(バーバラ・クピスティ)の婚約者ラズロ(フランコ・ブランチャローリ)に対する妻の態度の変化に現われ出した。そしてテレサも夫に挑戦するかのように秘密の日記を書き始め、それを読んだニーノは妻のみだらな姿を収めたフィルムの現像をラズロに依頼する。このゲームのからくりに気づくや、リサも母とラズロを二人きりになるように仕向け、ついに二人は肉体関係を結ぶようになる。ある日、ラズロとの情事を楽しんだテレサは、帰ってくるなりニーノを挑発し、再び情事にふける。そのさ中、突然心臓発作に襲われたニーノは、二度と息を吹き返すことはなかった。葬儀の日、喪服に身を包みながらテレサは、このゲームに参加して大胆になれたことを夫に感謝し、夫の死期を早めたことの共犯者であることを独白するのだった。そして世界は、今や来る大戦の波に次第に飲みこまれてゆく。

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