ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団のレビュー・感想・評価
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ウルトラマンのイメージを覆す怪獣への過度の残酷な仕打ち
タイとの合作なので、雰囲気がなんか違うし、そもそも日本が舞台ではない。
取り敢えず、ウルトラマン達の方が多勢に無勢状態で、数に任せて少数匹の怪獣に寄ってたかって、“生皮剥”とか、残酷な殺し方を、集団リンチの如く行います。
とても“正義の味方”は思えない行状でした。
怖すぎます。
今作の、円谷プロとタイのチャイヨーとの合作は、日本では劇場未公開だった『ジャンボーグA&ジャイアント』に続く第2弾という事。
奇妙なのは、今作に続く続編はいきなり東映の仮面ライダーと共演に変わった、『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』という作品に変貌したこと。
タイのオリジナル版をビデオCDで所有しているが、終始「仮面ライダーX」の主題歌のタイ語バージョンらしき曲が流れ続けていて、内容も東映のオリジナルの劇場版である『五人ライダー対キングダーク』に加えて『仮面ライダーV3対デストロン怪人』からも勝手に流用編集をしてでっち上げた、信じ難いが無許諾作品のようだった。
なにしろ、怪人を操って女を拉致させ、キングダークの好物である生きの良い女の生き血を抜き取って採取する描写があったりと、実に変な作品になってます。
どう考えたって、あんな無茶苦茶なの東映が許可するとはとても思えません。
円谷とチャイヨーも訴訟になったくらいですしね…..
仏様を大切にしろ!大切にしないヤツは死ぬべきなんだ!(名言)
前々回の『マッハ!!!!!!!!』を見ていた時に思い出したハヌマーン。
彼の活躍(鬼畜っぷり)を見直したくてチョイスです。
でも、アマプラには上がっていませんでした。この作品、制作の経緯からして権利問題がややこしいらしいです。
何だかんだ言いながら、今だ無法地帯のYouTubeを調べてみると、ありました!ありました!
日本公開版のLDからの違法アップロードのようです。UP主さん、ありがとうございます。一蓮托生です。
ウルトラマンの設定とは相いれない舞台(タイ)の作品です。
初っ端の雨乞いの踊りとか、泥くさい異国情緒たっぷりです。そんな雨乞い踊りの輪の中に主人公の少年・コチャンの姿が。
どうやら、太陽が大接近したために、地球が深刻な水不足になったらしいです。
またもや脱線して調べてみました。
仮に月の位置まで太陽が近づいたら、太陽の半径は696,340 kmらしいので、地球は太陽にまるまる飲み込まれて蒸発しているそうです。雨乞いがどうのこうの言ってられるレベルのお話じゃありません。
そこに唐突に現れる仏像泥棒。
『マッハ!!!!!!!!』の時にも疑問に思ったんですが。仏像の頭だけ切り離して盗んで、何の値打ちがあるのかな?って。
敬虔な信心故に、そんな仏像泥棒を追うコチャン。拳銃で眉間を撃ち抜かれて絶命してしまいます。(これ、仮にもウルトラマン世界のお話です)
コチャンを哀れに思ったウルトラの母は、タイの伝説の英雄・ハヌマーンの魂をコチャンに移し替えて蘇らせます。(後に出て来る怪獣にしてみれば「なんちゅうことをしてくれたんや…なんちゅう…」です)
ハヌマーンとして蘇ったコチャン、直立不動の卍ポーズ(笑)で空を飛びます。どう見ても醜悪な怪獣や宇宙人以上の悪人面です。顔が怖いよ!ボディーペイントも怖いよ!ガク((( ;゚Д゚)))ブル
ハヌマーンについてもちょっと調べてみました。Wikipedeiaの中で「あつ!」という言葉に遭遇しました。“デウス・エクス・マキナ”。
現地タイでのエンターテイメントでのハヌマーンは「とりあえず、最後はハヌマーン出しときゃ、なんでもかんでも上手く片付くでしょ」的な存在らしいです。水戸黄門の印籠みたいな感じ?演劇上で、そのような存在を“デウス・エクス・マキナ”というらしいですね。一個学びました。
この言葉『シン・ウルトラマン』でも出ていませんでしたっけ?
独特の宗教観に満ちたエピソードがしばらく続きます。ハヌマーンの奇妙な動きを見ていると、なんでかめっちゃイライラしてきます。
仏像泥棒と再び対峙するコチャンは、何故かウルトラセブンのテーマ曲に乗ってハヌマーンに変身します。
とても嬉しそうに「逃げられると思っているのかwほら、逃げろ逃げろw」「逃げても無駄だ!生かしてはおけん!お前たちを殺してやる!(名言)」「仏様を大切にしろ!大切にしないヤツは死ぬべきなんだ!(名言)」と、泥棒たちをいたぶるように踏み殺し、握り潰します。無慈悲に有言実行。信仰の元では、人殺しさえもよしとするこのスタンスが怖い。何教とはいわないけれど、他の宗教とかもそうなんですが。
太陽の神に直談判に行くハヌマーン。「地球から遠ざかってくれ」→(太陽の神)「そうしよう」えっ、あっさりと?
かくして太陽の問題は一件落着。
そうしたら今度は、人口雨を降らせるためのロケットの打ち上げに失敗して大爆発。何でか大地が裂けて、5体の怪獣が出現。過去作の着ぐるみを弄って再利用したのが見え見えのSDGs怪獣。
迎え撃つはジェット戦闘機部隊。ところがコイツの射撃精度の悪いこと悪いこと。狙いを大きく外して民間人が右往左往で逃げ惑う中にミサイルを誤射しまくりです。怪獣よりもたちが悪いです。
どこで油売ってたんか知らんけど、コチャンがやっとハヌマーンに変身して、怪獣と相まみえます。
最初のうちこそ善戦するものの、いかんせん5対1では分が悪すぎます。次第に劣勢に追い込まれていくハヌマーン。怪獣たちの集団リンチを味わいます。←伏線
そこへ駆けつけるウルトラ6兄弟。「ウルトラ6兄弟とハヌマーンがおまえたちの相手だ!」←急に強気のハヌマーン。6兄弟にしてみれば「えっ?勝手に仲間にするなし!」だと思ったんですが。
怪獣たちを囲み、光輪で首と手足を刎ね、ナイフを胸に突き刺して血飛沫あげたりと、やりたい放題の殺戮マシーンと化すハヌマーンと6兄弟。レッドマンが心優しく思えます。
こいつらには慈悲の心などというものが、これっぽちもありません。
「ガイコツにしてやるぞ!」まんま有言実行のハヌマーン。怪獣の頭や手足の肉をこそぎ取り、骨だけにしてしまいます。えげつないにも程があります。猟奇的すぎます。完全にスプラッターです。(これ、仮にもウルトラマンのお話です)劇場で観た日本のちびっこたちは、きっとトラウマになったと思うんですが。タイではこれが日常の風景なの?タイの倫理観怖ぇガク((( ;゚Д゚)))ブル
とうとう7対1で、地を這い逃げ惑うゴモラを取り囲み、徹底的な集団リンチで葬ります。←伏線回収(ここ、絶対に教育上よろしくないと思います。いじめの全肯定です)
しかもここで、本作の勇壮な主題歌が能天気に流れてるから、そのギャップが余計に怖いんですよ。『食人族』の虐殺シーンのバックに美しいテーマ音楽が流れていた時みたいな?そんな感じ。
そんな大量虐殺で幕を閉じる本作です。一体、何を見せられたんだ?
百歩譲って「仏様を大切にしろ!大切にしないヤツは死ぬべきなんだ!」にしても怪獣たちには何の罪もないです。なのに…
一本の“ウルトラマン映画”として真面目に付き合うにのなら★0.5点ですが、ネタとして観るなら★4.5点なので、間をとってこの採点にしました。
Savageness in Thailand
タイ×日本で合作したウルトラマン(?)映画。
タイ仏教においては仏と信徒とのかかわりをよりアクチュアルなものにするべく、信徒が罪を犯した場合に課される罰がきわめて具体的に規定されている。しかもそのどれもが目を覆いたくなるような残酷きわまるものばかりだ。そんな地獄絵図を塑像にして展示してある「地獄寺」なんてものまである。タイの子供たちはこの地獄寺のおぞましい塑像たちを通じて仏教倫理というものを文字通り体得するのだという。
本作には本邦の『ウルトラマン』ではまずお目にかかれないようなゴア描写が次から次へと乱れ咲く。しかも日本公開版はまだマシなほうで、タイ公開版はこれ以上に酷いらしい。仮にも子供向けコンテンツでこれだけのゴア描写がある裏には、やはりタイにおけるちょっぴり過激な仏教教育が影を落としているような気がする。
物語の作りもこれまたまぁたいそう雑だが、そこに亜熱帯的なカオスの波動を感じないでもない。やりたいことを全部やり、特に何も回収しないフリーダムさもタイっぽくていい。
いったいなぜこういう風土からアピチャッポン・ウィーラセタクンのようなタイプの映画人が爆誕したのか、経緯がいまいちよくわからない。タイ映画をもっと見たいと思った。
人間ドラマ部は回収せず
タイとの権利関係であまり見られないらしい。円谷プロ的には黒歴史か?
冒頭ウルトラの星の説明に続きハヌマーンが登場。「誰?!」って感じ。そしてタイを舞台にした話が進む。それも子供に全く配慮のない展開。倫理観が違〜う!ツッコミながら見る他ない。これはただのユルいタイ映画なのではw
終盤、怪獣が地中から唐突に出て来て大暴れ。人相の良くない巨大ハヌマーンと格闘。火薬の量多め。ウルトラ兄弟も唐突に表れ光線系を多用。ここでも倫理観が違う。
珍品としての価値しかないですね。ハヌマーンふざけてるし倫理観に賛同できませんww
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