カンニング・モンキー 天中拳のレビュー・感想・評価
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他愛ない映画だけれど、カタルシスが得られた。
BS260で視聴。
カンフー映画では、普通、若者が師匠について徹底的に訓練し、最後に敵に勝つことが多い。この映画ではジャッキーは、奥義を紙で受け取り、場合によっては、それを現場でも見て(カンニングして)相手を倒す。何とも他愛ないお話。
しかし、ジャッキーは、スタントマンとしてスタートしたためか、なかなか自分のパターンを見いだすことができないでいた。何しろ、身代わりだから。しかし、カンフーにユーモアのセンスを持ち込んで、コミカルに演ずることに成功している。彼は、その後、カンフーからアクションに進んで、世界を代表するスターになったが、コミカルな味付けは残った。
この映画で一番よかったのは、日本公開版に出てきた主題歌「カンニング・モンキー」
英語詩に曲をつけたのは、タケカワユキヒデ、編曲はミッキー吉野、歌ったのは、シャイという沖縄のグループらしいが、音楽はゴダイゴそのもの。映画に、音楽がぴったり寄り添っている。
その頃の日本の勢いが、まざまざと感じられた。第一、ジャッキー映画の最大の市場だし。何と言っても、音楽の素晴らしさ。70年代から80年代の日本のシティポップは、世界を完全にリードしていた。日本人は必ずしも気づいていなかったが。香港映画界はそれを知っていて、日本人のスタッフが、たくさん海を渡り、力を貸した。サウンドトラックが、今見ても全く違う。それにしても、あの頃の日本人(女性)のジャッキー追っかけファンもすごかった。夢のような時代があった。
この映画を見て、カタルシスが得られた。心が洗われて、元気が出た。
ジャッキー氏の持ち味が炸裂する映画の試作品というべきか、萌芽というべきか
正直、初見時は☆1。
パロディネタを探すのが楽しい。
(笑)に走っています。
でもやっぱり、各役者さんの身体能力はすごい。
こういうセンスが、のちの『プロジェクトA』とかに発展したのだろうか?などと思って観ると釘づけになる。
でもまあ、好みの問題かな?
と思っていた。
なにしろ、ジャッキー氏が他の映画に比べて格好良くない。
一生懸命、練習するシーンもあるけれど、
なりすましとか、結構小狡いところもある。
もちろん、師のために頑張っているシーンもあるのだけれど。
孤児として、さしたる後ろ盾のない身が生き抜く方法でもあるのだろうけれど。
う~ん。
格好良いジャッキー氏を見て、すっきりしたい身には…。
というところかな。
筋も忘れてしまうくらいに散漫しているし。
でも、何度も見返しているうちに評価が変わってくる。
そう、正直に言うと、レビューしようとして、忘れているので見返しを繰り返していたのだ。
でも、ジャッキー氏以外の周りに目が開かれていくと…。
息子の敵討ちにきた師匠の顛末には涙…。
ラストの混戦をはじめ、戦うシーンでは、その、息のあった妙技に見惚れてしまう…。
まるで、サーカス雑技団のような。
OPでは、京劇かくやというふるまいも堪能できるし。
Wikiを読むと、ジャッキー氏の自我の萌芽というか、転換期というか。
そんなんで、☆もアップ。
でも、やっぱり、好みの問題かな?
通好みの映画かな?
至ってクラシックな70's香港ムービー
可もなく不可もなくオールドスタイルなジャッキー映画。字幕版で観た限りはズバ抜けて笑える1本ではない。
オープニングのコント仕立てで七変化するジャッキーは寅さんの夢の中のようでのどかな愉快さがあるし、タイトルの本領に至る最終決戦は矢継ぎ早にギャグとバトルが絡み合い痛快ではあるが、そこに至る大半の時間は間延びして感じる。
意外なのがジャッキー演じる主人公のゴン。ヘボヘボのままカンニングだけで悪党共を打ち負かしちゃう感じなのかなと思いきや、中盤までには真面目にカンフーの地力をつけていつもの頼れるファイターに成長してるところ。流石に基礎もなしで勝てるほどカンフーは甘くないぞコラ、という事ですかね?すみませんでした。
敵の女ボスも含めればキレイどころが3人もいてオトクだが、今の日本人の目で見て嬉しいかどうかは人によるかな。ファン・リー/フォン・リォイ(演・ロン・ジェンエール)は目が大きくて愛らしいと思う。
個人的MVPがディーン・セキ演じるホームレス風の助言者(吹替版では風太郎というらしい)。常に飄々、ヘラヘラとしてて信用していいものか視聴者も混乱するのだが、実は兄弟子だとわかってからはググッと頼もしくなってくる。最終決戦でもゴンの良きバディとなり、コミカルさを遺憾無く発揮する。若い頃の植田峻さんに似たチャーミングさがあるかも。
ともあれこれはジャッキー映画全てにお墨付きのことなので言うまでもないが、カンフーのキレは今見ても色褪せない。そして話のテンポやギャグセンスはレトロだが娯楽映画としてやるべき事はひと通り抑えてはいる。ディズニーで例えればシリーシンフォニー。何にも優先して観るほどではないが、クラシック香港映画の楽しみ方を心得てる御仁なら「いつものあのノリ」をお酒のツマミに味わえるだろう。
カンニングしながら戦うジャッキー
拳法を習ったこともなく、ハッタリだけで生きていこうとする青年。途中で老人に師事を仰ごうとしたり、プー太郎の教えを乞うたりするのだが、中々真剣に強くなろうとはしない。秘儀“アッチ向いてホイ”“愛情1本”“ハッスル”だけだ。活人丸と反魂丹という秘薬を巡って悪人たちが戦う後半はわけがわからない。
ラストの虎の巻をカンニングしながら戦うという型も笑えるが、笑いを基本とした拳法という設定自体が面白い。
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