突然裕福になったコンバッハの人々

劇場公開日:

解説

オーバー・ヘッセン地方のコンバッハで実際に起きた百姓と日雇いによる現金輸送車襲撃事件を題材に貧しい人々の事件への過程と結末を描く。監督は「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフ、脚本はシュレンドルフとマルガレーテ・フォン・トロッタ、撮影はフランツ・ラート、音楽はクラウス・ドルディンガーが各々担当。出演はゲオルク・レーン、ラインハルト・ハウフ、カール・ヨーゼフ・クラーマー、マルガレーテ・フォン・トロッタ、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーなど。

1970年製作/西ドイツ
原題または英題:Der Plotzliche Reichtum der armen Leute von Kombach
劇場公開日:1981年3月24日

ストーリー

1821年、オーバー・ヘッセンの森の中。一台の税金輸送車が馬に引かれてゆく。その道をはさんだ両側の林の中に見すぼらしい7人の男たちが潜んでいる。彼らはコンバッハの貧しい百姓と日雇いである。農奴制が廃止された1821年以来、新しい税金、穀物価格の下落、不作が重なって彼らの困窮ぶりは一層激しくなり、思いあぐねた末に“輸送車襲撃”を考えついたのだった。そして無教養な彼らは、アメリカを天国のように思いこみ、盗んだ金で渡米しようと考えていたのだ。しかし、雪や霧にはばまれて、彼らは5度も襲撃に失敗しており、失敗するたびに、とぼとぼと家族の待つ家に帰ってゆくのだった。そして6度の襲撃で、やっと彼らは金を手に入れることに成功する。しかし歓喜に酔いしれるのもつかの間、貧乏人の彼らは金の使い方を知らず、急に派手にふるまったことから忽ち怪しまれ、捕われてしまった。ギーセンの予審判事は鋭く審問する。7人のうち、4人が進んで処刑を受け、2人が公開処刑を免れるため自殺し、唯一人ユダヤ人の靴下商人だけは裁判権が及ばず、霧の中に踊りながら去ってゆくのだった。

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