株式会社 ザ・カンパニー

劇場公開日:

解説

英国系の一流会社に勤めるインド人のエリート・サラリーマンの西欧化した思考形態を諷刺的に描く。製作はバハロット・シャムシャールとジャング・バハドゥル・ラナ、監督・脚色・音楽は「チェスをする人」のサタジット・レイ、原作はシャンコール、撮影はショーメンドゥ・ロイ、編集はドゥラル・ドット、美術はアショケ・ボーシが各々担当。出演はボルン・チャンド、シャルミラー・タゴール、パロミタ・チョウドリー、ホリンドラナート・チャトパダーイ、ハラドン・バナージー、アジョイ・バナージー、プロシャント・モッリクなど。

1972年製作/インド
原題または英題:Simabaddha
配給:エキプ・ド・シネマ
劇場公開日:1981年5月23日

ストーリー

扇風機と照明器具の製造社として著名な英国系の会社ヒンドスタン・ピータース社の扇風機販売部長シャマル・チャタージー(ボルン・チャンド)は、学校時代の成績は優秀で、卒業後教師を経てこの社に入り、入社歴10年でスピード昇進したエリート・サラリーマンだ。彼は入社前に大学の教授の娘ドラン(パロミタ・チョウドリー)と結婚し、今では7歳になる男の子がいた。郊外のアパート暮しを経て今では社宅の豪華マンションに住んでいる彼の元に、妻ドランの妹テュタル(シャルミラー・タゴール)がやってくる。美しく成長したテュタルに驚くシャマル。このテュタルは、しかし豪華で優雅な姉夫婦の生活を羨むより、むしろ、なぜ両親と一緒に住まないのか、と強く問い正した。会社の規則だと答えるシャマルに、その規則の不合理さを非難するテュタル。会社では次期営業担当重役を選考中で、照明器具販売部長のルヌ(プロシャント・モッリク)とシャマルがその候補になっていた。そんな大切な時期にシャマルにとって一大事が生じる。扇風機一万個収納を一週間後にひかえて、製品に欠陥が発見されたのだ。直すには3週間必要だ。彼はテュタルだけにそのことを打ち明ける。彼は遂に契約書の条項を利用し、工場主タルクダル(アジョイ・バナージー)の望みを叶えるからと、ストライキを起こさせる。ストライキによる作業停止の場合は延納が承認されるのだ。こうして違約金を払うことなしに納期は延期され、シャマルは重役に昇進する。尊敬していたシャマルの出世のためには手段を選ばぬ要領のよい生き方に失望したテュタルは、昇進で喜び勇んで帰宅したシャマルに、以前贈られた腕時計を無言で返し、彼の家を去ってゆくのだった。

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