「【”デヴィッド・ボウイの音楽は、半世紀過ぎても僕の心に響き渡り、染み渡る・・。”】」ジギー・スターダスト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”デヴィッド・ボウイの音楽は、半世紀過ぎても僕の心に響き渡り、染み渡る・・。”】
ー ラストテロップで流れるが、本作は1973年7月3日 ロンドン・ハマースミス・オデオンでの最終日のライヴを収録したモノで、一部楽屋風景も挟み込まれるが、ほぼ全編ライヴである。-
◆感想
・正直に書くが、年代的に私にとっての最初のデヴィッド・ボウイとの出会いは「レッツ・ダンス」である。
非常に好きなアルバムで、車にも常に常備してあるが、発表当時は賛否が分かれた記憶がある。
特に、否定派の方々は今作でも披露された「スペイス・オディティ」から始まった1970年代のデヴィッド・ボウイを愛する人たちが多かったと記憶する。
何で、そんなに非難するの?と”ロッキング・オン”を読みながら思ったモノであるが、その後、カート・コバーンのアンプラグドで彼が爪弾いた”The Man Who Sold the World"を聴き、ビックリして徐々に遡ってデヴィッド・ボウイを聞いて行くと、何となく分かる気がした。
・だが、こうして90分のデヴィッド・ボウイの1970年代初期の楽曲群をスクリーンで観ると、楽曲の斬新なフレーズと唯一無二の詩(映画だと、字幕が出るのが有難い。)の凄さに素直に圧倒される。
・独自の日本が好きだった(京都にも一時在住していたという、噂があった。)デヴィッド・ボウイのどことなく、着物風の華やかなステージ衣装。
- と思ったら、フライヤーに山本寛斎の名前が・・。-
・アンコールで歌われたデヴィッド・ボウイが”ルー・リードの”と言って歌ってくれた”ホワイトライト/ホワイトヒート”も嬉しかったなあ。
- ホントは、ヴェルベット・アンダーグラウンドの曲だけれども、この時期には実質ルー・リードのソロバンドだったからなあ。-
<濃密な、90分のロックンロール映像を堪能した作品。超一流の音楽は、時空を超える事を再確認した作品でもある。>
<2022年2月27日 刈谷日劇にて鑑賞>
■その他
近年の映画では、80年代ロックが良く使われている。
印象的なのは、
・”デヴィッド・ボウイ”の「レッツ・ダンス」の劈頭を飾る”モダン・ラヴ”を効果的に使った「フランシス・ハ」・・・”モダン・ラヴ”は他の映画でも頻繁に使用されている。例えば、韓国映画「スイング・キッズ」でのダンス・シーンは、忘れ難い。
・”キュアー”の「Head on the Door」の同じく劈頭を飾る、”イン・ビトゥイーンズ・デイ”を全面的に使ったフランソワ・オゾン監督の「Summer of 85」
・”ザ・ヴァーブ”の名曲”Bitter Sweet Symphony"を予告編とラストで使ったグザヴィエ・ドラン監督の「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」
等である。
各監督が、好きなんだろうなあ・・。
けれど、リドリー・スコット監督の「ハウス・オブ・グッチ」の予告編で軽やかに流れた”ブロンディ”の”ハート・オブ・グラス”は本編では使われなかったが、グッチ一族の破滅を暗喩したように使用されていたし、
現代のポップ・カルチャーに君臨するビリー・アイリッシュは、007の最新作に新曲を捧げ、邦画の「真夜中乙女戦争」で”Happier Than Ever"を実に効果的に二宮健監督が使用している。
何が言いたいかと言うと、稀有なレベルを持つミュージシャンの音楽は、分野は違えど時を越え、ジャンルを超えて鑑賞する側に、多大なる影響を与えるという事が言いたいのである。
音楽、映画を始め優れた作品は、分野、時空を越えて輝きを増すのである。
お返事ありがとうございます!ハウスジャックビルトには、ジャックが殺人をする時に必ずかかる曲がフェイムです。ぜひ機会があればまた見てみてくださいませ😌
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