劇場公開日 2022年1月7日

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「【”デヴィッド・ボウイの音楽は、半世紀過ぎても僕の心に響き渡り、染み渡る・・。”】」ジギー・スターダスト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”デヴィッド・ボウイの音楽は、半世紀過ぎても僕の心に響き渡り、染み渡る・・。”】

2022年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

ー ラストテロップで流れるが、本作は1973年7月3日 ロンドン・ハマースミス・オデオンでの最終日のライヴを収録したモノで、一部楽屋風景も挟み込まれるが、ほぼ全編ライヴである。-

◆感想

 ・正直に書くが、年代的に私にとっての最初のデヴィッド・ボウイとの出会いは「レッツ・ダンス」である。
 非常に好きなアルバムで、車にも常に常備してあるが、発表当時は賛否が分かれた記憶がある。
 特に、否定派の方々は今作でも披露された「スペイス・オディティ」から始まった1970年代のデヴィッド・ボウイを愛する人たちが多かったと記憶する。
 何で、そんなに非難するの?と”ロッキング・オン”を読みながら思ったモノであるが、その後、カート・コバーンのアンプラグドで彼が爪弾いた”The Man Who Sold the World"を聴き、ビックリして徐々に遡ってデヴィッド・ボウイを聞いて行くと、何となく分かる気がした。

 ・だが、こうして90分のデヴィッド・ボウイの1970年代初期の楽曲群をスクリーンで観ると、楽曲の斬新なフレーズと唯一無二の詩(映画だと、字幕が出るのが有難い。)の凄さに素直に圧倒される。

 ・独自の日本が好きだった(京都にも一時在住していたという、噂があった。)デヴィッド・ボウイのどことなく、着物風の華やかなステージ衣装。
 - と思ったら、フライヤーに山本寛斎の名前が・・。-

 ・アンコールで歌われたデヴィッド・ボウイが”ルー・リードの”と言って歌ってくれた”ホワイトライト/ホワイトヒート”も嬉しかったなあ。
 - ホントは、ヴェルベット・アンダーグラウンドの曲だけれども、この時期には実質ルー・リードのソロバンドだったからなあ。-

<濃密な、90分のロックンロール映像を堪能した作品。超一流の音楽は、時空を超える事を再確認した作品でもある。>

<2022年2月27日 刈谷日劇にて鑑賞>

■その他
 近年の映画では、80年代ロックが良く使われている。
 印象的なのは、
 ・”デヴィッド・ボウイ”の「レッツ・ダンス」の劈頭を飾る”モダン・ラヴ”を効果的に使った「フランシス・ハ」・・・”モダン・ラヴ”は他の映画でも頻繁に使用されている。例えば、韓国映画「スイング・キッズ」でのダンス・シーンは、忘れ難い。
 ・”キュアー”の「Head on the Door」の同じく劈頭を飾る、”イン・ビトゥイーンズ・デイ”を全面的に使ったフランソワ・オゾン監督の「Summer of 85」
 ・”ザ・ヴァーブ”の名曲”Bitter Sweet Symphony"を予告編とラストで使ったグザヴィエ・ドラン監督の「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」
  等である。
 各監督が、好きなんだろうなあ・・。

 けれど、リドリー・スコット監督の「ハウス・オブ・グッチ」の予告編で軽やかに流れた”ブロンディ”の”ハート・オブ・グラス”は本編では使われなかったが、グッチ一族の破滅を暗喩したように使用されていたし、
 現代のポップ・カルチャーに君臨するビリー・アイリッシュは、007の最新作に新曲を捧げ、邦画の「真夜中乙女戦争」で”Happier Than Ever"を実に効果的に二宮健監督が使用している。

 何が言いたいかと言うと、稀有なレベルを持つミュージシャンの音楽は、分野は違えど時を越え、ジャンルを超えて鑑賞する側に、多大なる影響を与えるという事が言いたいのである。

 音楽、映画を始め優れた作品は、分野、時空を越えて輝きを増すのである。

NOBU
アプソさんのコメント
2022年2月27日

お返事ありがとうございます!ハウスジャックビルトには、ジャックが殺人をする時に必ずかかる曲がフェイムです。ぜひ機会があればまた見てみてくださいませ😌
この返信は不要です♪

アプソ
アプソさんのコメント
2022年2月27日

いいねありがとうございます。
ラースフォントリアー監督はよく、BOWIEの曲を映画で使いますよね
時代を超えて響きます😊✨

アプソ