「イヴの夜、若い頃のほろ苦い思い出が…」桃色の店(街角) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
イヴの夜、若い頃のほろ苦い思い出が…
クリスマスに向けて、事件と人間関係が
解決していく映画は数多くあるが、
これもそのひとつだろう。
いかにもキリスト教色の出た作品だ。
この手の話の先駆けであるなら、
鑑賞者が後の時代の私であることは申し訳
ないが、類似の物語が数多くあるためか、
ストーリー自体に新鮮味は感じない。
ルビッチ作品としても「私の殺した男」や
「生きるべきか死ぬべきか」に比較すると
切れ味が今ひとつだ。
また、クリスマスハッピーエンド物
としても、フランク・キャプラの
「素晴らしき哉、人生!」には及ばない。
余談ながら、
妻とクリスマスを過ごせないオーナーが
付き合える社員を探すシーンに、
私の若い頃、当時の勤務先の営業所長が
クリスマス・イヴの夜に
「彼女のいない奴は飲みに連れていって
やるぞ」と声を掛けてもらい
御馳走様になったことを懐かしくも、
ほろ苦い思い出として甦った。
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