暴力脱獄
劇場公開日:2022年10月21日
解説
ポール・ニューマンが主演を務め、権力に屈することなく脱獄を繰り返す男の生き様を描いた犯罪ドラマ。
酔ってパーキングメーターを破壊し、器物破損罪で刑務所に送られたルーク。囚人たちの間にあるヒエラルキーを無視する彼は囚人たちのボスであるドラグラインの怒りを買い、ボクシングで決着をつけることに。ルークは大柄なドラグラインに打ちのめされながらも決して屈せず、囚人たちから一目置かれる存在となる。ある日ルークの母の訃報が届くと、所長は彼の脱獄を危惧して懲罰房に入れてしまう。ルークは横暴な所長や看守たちに反発するかのように脱獄を繰り返すが……。
ジョージ・ケネディがドラグラインを好演し、1968年・第40回アカデミー賞で助演男優賞を受賞。実際に刑務所に収監された経験を持つドン・ピアースの小説を原作に、後に「悪魔の棲む家」「ブルベイカー」などを手がけるスチュアート・ローゼンバーグ監督がメガホンをとった。
1967年製作/127分/G/アメリカ
原題:Cool Hand Luke
配給:東京テアトル
日本初公開:1968年8月3日
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監獄学園の元ネタと聞いたので視聴。確かにぽいシーンはあった。
今更初見。
不良こそ善と無邪気に思えた幸福な時代。
1967年か。
健さん文太にも連なる。
引き立て役はハナ肇と愛川欽也。
何百回も焼き直された下敷き作を一応見とく修行的鑑賞。
ゆえに面白くはない。
美しきPニューマンの笑顔は一見の価値あろうけども。
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ルークは、母が生きている間は生きる理由があった。母に会うこと、話すこと。
しかし母無き後、無神教の彼は、生き方を自分で決めなければならなくなった。で、取り組んだのが、脱獄=自由獲得。
母も無く、父も信じない者が自由を獲得するのは困難なのか。
かなり哲学的映画です。
2022年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
名作映画の代名詞ともなっている本作タイトルだけど、そこから想像できるような、ポール・ニューマンが肉体にものを言わせて看守達を殴り倒し、脱獄する痛快なバイオレンスアクション大作…、などでは決してなくて、むしろニューマン扮するルークは、同じ牢獄の囚人達や看守達から受ける理不尽な抑圧、暴力にじっと耐えて見せます。彼はただ単に耐え忍ぶだけでなく、自分を押さえつけようとする相手に対して真っ正面から立ち向かいます。何の決めぜりふも巧緻な作戦もなく。強大な敵に無謀にも素手で立ち向かう彼は、当然のことながら痛めつけられ、床に倒れ込みますが、それでも決して弱音も見せず屈服もせず、再び立ち向かいます。その姿を最初嘲笑っていた囚人達も徐々にその姿に畏敬の念すらも抱くようになります。
ルークは「不屈の男」ではありますが、チャールトン・ヘストンのような巌の肉体を備えている訳ではなく、また時には愛する存在に手を差し伸べてもらえない哀しみを感じさせもしますが、ジェームス・ディーンのようにその寂しさ、悲しさを素直に表現することもありません。その表情だけで彼の揺るぎない精神性を表現しているニューマンは、やはり名優であると納得せざるを得ません。
もちろんルークの不屈の物語としても楽しめる本作ですが、作中には明示されているものも暗示されているものも含め、さまざまな宗教的要素がちりばめられており、さらに深い精神性を感じさせます。ルークの囚人仲間を演じた、ドラグライン(ジョージ・ケネディ)がルークとの関係をどのように締めくくったのか、その語り、役どころが実に素晴らしいです。
「なんか恐そうな映画だなぁ。暴力描写はやだなぁ」と躊躇している人にこそお勧めしたい一作です。ただ男性世界ならではの、「無茶をして男を上げる」描写もあるので、そこは注意!