「何もわからない恐怖」鳥 トマトマ子さんの映画レビュー(感想・評価)
何もわからない恐怖
当方、大の鳥嫌い。
道にハトやカラスがいると遠回りしてでも別の道に行くし、テレビで養鶏場が映ったりするとチャンネルを変える。
それでもこの映画だけは最後まで観れちゃうのは、鳥そのものではなく「わからないことの恐怖」を描いているからだと思う。
なぜ襲ってくるのか。襲撃と静寂の波があるのはなぜなのか。どこへ行けば逃げられるのか。何も「わからない」
動物や宇宙人や幽霊や災害などが人間を襲う映画は数えきれないほどある中で、この映画が際立っているのは、この「何もわからない」からこそなのだと思う。
何もわからない、終わりも見えない、逃げ場もない。それがわかりつつ、どこかへ走り去っていくラストシーンの絶望感といったら。何度見てもたまらない。
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