「襲い来る鳥たち…究極の不条理!」鳥 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
襲い来る鳥たち…究極の不条理!
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DVDで鑑賞(吹替)。
アルフレッド・ヒッチコック監督作品ならではのスリルとサスペンスの畳み掛けを堪能出来るのはもちろん、模型と合成を使った鳥の襲撃の演出は迫力があり、怖さも満点。実際の鳥の映像も織り交ぜながら恐怖を煽って来ました。
鳥の襲撃の後、血まみれで横たわる無残な死体も登場し、その凄惨な様に目を背けたくなりました。嘴で何度もつつかれて殺されるなんて、そんな死に方したくありません。
ラストで夥しい群れを成して屋根や電柱に止まり、鳴き声も上げずに、ただひたすら人間たちを睥睨する鳥たちの姿に底知れぬ不気味さを感じました。心底から震えました。
人間が理由も不明なまま鳥に襲われ、それに対して成す術が無いと云う「究極の不条理」が本作のいちばん怖いところ。
なんの解決もしないまま結末を迎えてしまうので、かなり後味が悪い。襲撃の理由についても最後まで分からぬまま。
自然破壊を続ける人類に対するガイアの警告なのか。それとも何者かの意思が介在した意図的な実験かなのだろうか?
真相は提示されないので、如何様にも解釈可能な物語が、今でも人々を惹きつける魅力の一端なのかもしれません。
※修正(2023/07/13)
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