天国は待ってくれる(1943)のレビュー・感想・評価
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浮気を重ねた、仕事もまともにやらない資本家が、行けるような所なのだろうか?
ミッドウェー海戦の年の映画、つくづく、この頃の映画を見ると、こんな国と戦争したんだと感じる。
足をさらけ出した女性が地獄へ落ちて、浮気を重ねた、仕事もまともにやらない資本家が、行けるような所なのだろうか?まぁ、寓話だけれどもね。
戦時中に映画が作れる、アメリカの余裕
最初に出てくるおじいちゃん(主人公)とその青年期壮年期を演じたのが同一人物だった。 80年近くも前の映画なのに、メイク技術に驚いた。 コメディタッチなので、深いものは感じないが、今見ても楽しめる、部屋の調度品 とか電話とか服装とか。
“天国は待ってくれる”
品行方正ではなかったかもしれないが、天国にいけないと思うほどの人生ではなかったように思う。
別館くらいなら数百年待てば入れるかも、ということらしい。
味方になってくれる人もいるようだし。
(再会した知り合いの女性はあっという間に地獄に落とされていたけれど...一体何をしたのだろう...)
孫を自分に似ていると応援し、自分も一度駆け落ちしたかったんだと無邪気にいうおじいちゃんがチャーミング。
年齢に関する考えや捉え方がいまと大分違う。50過ぎたらかなりの歳という感じで驚いた。
古いアメリカ映画らしくほのぼの♫
要するにお金持ちのお坊ちゃんのお話なのだけど、根からの悪男ではなく、ご本人は間違いなく妻のマーサ(美しいわ〜)と息子も愛してるし、イヤミはなく、コメディタッチで面白かったです。 妻のマーサの親同士の仲の悪さも、なんだか滑稽で黒人の召使いとのやりとりもユーモラス。 夫婦ともに若い頃から老人まで描いてるので、衣装や家の感じもとても楽しめました。 BSnhkで録画しましたが、たまたま『若草の頃』ではメイド役だったマージョリーメインさんが、マーサの母親役で、インパクトある女優さんでした。
過去の名作を観るための準備
エルンスト・ルビッチ監督作品って、ひょっとしたら初めてかも知れません。 映画史的には有名で、ビリー・ワイルダーや小津安二郎らの作風に影響を与えたとか“ルビッチタッチ”という言葉は知識として知っていましたが、中々作品を観る機会はなかったので、今回BSプレミアムでの放映は嬉しかったし、鑑賞して上記のニュアンスが理解できました。 映画として非常に端正な作りなので、今観ても作劇の古さは感じませんでした。しかし、古さは感じないのだけど時代は感じてしまいました。 テーマは普遍的で人間的なのだけど、映画は時代の鏡であり作られた時代が違うので、所謂大衆向けではなくハイソサエティ向けの様に感じられ、今の大衆にこのテーマを伝えるのなら、設定を中流か下層に変えて物語を構築しないと大衆には届かない様な気がしますね。 なので、今観ても作品の質は高いけど今の大衆にはデリケート過ぎて難しいし分かり辛いと思います。これこそが映画に限らず“表現は時代の鏡”ということの証なのかも知れません。なのでエルンスト・ルビッチ作品の良さを今観ても理解できるのは、ある程度の知識人か映画通であり、決して今の時代の大衆ではないということになってしまうのでしょうね。
ユーモラスで味わいのある作品
主人公の紳士の生涯を、幼少期から出逢った女性とのエピソードを織り交ぜ、ユーモラスに描かれていた。
壮年から老年に差し掛かり、愛妻や息子に諌められた時の主人公の哀愁のある表情がいい。
当時の洒落た雰囲気が味わえる作品。
NHK - BSを録画にて鑑賞
人生を振り返り審判を仰ぐ
ジーンティアニー扮するマーサを慕うドンアメチャー扮するヘンリーヴァンクリーヴ。ヘンリーは、閻魔大王の地獄へ行くかどうかの審判でマーサとの思い出を語り始めた。マーサは、従兄弟のアルバートと結婚するはずだったが、ヘンリーと結婚した。しかし10年後、ヘンリーは浮気がバレてマーサに逃げられてしまった。マーサは、汽車で偶然会ったアルバートがマーサの実家に連れて来たのだった。しかし、ヘンリーがマーサの実家まで来て10周年のプレゼントをきっかけに祖父が手引きしてよりを戻しマーサを連れ帰った。その後、結婚25周年を迎えたが、マーサは亡くなった。それからヘンリーは夜遊びを続けた。息子にもたしなめられたが、70歳になっても若い看護師に看取られた。果たしてヘンリーは地獄行きなのか? 人生を振り返り審判を仰ぐ。従わざるを得ないよね。
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