世界に告ぐ
解説
「青春の喜び」「誉れの一蹴」と同じくサム・ウッド氏の監督作品である。デール・ヴァン・エヴリー氏が書卸したオリジナル・ストーリーを「オペラの怪人」の脚色者レイモンド・エル・ジュロック氏が脚色したものである。主役は「滑れケリー」「故郷の土」主演のウィリアム・ヘインズ氏が務め、映画初主演のアニタ・ペイジ嬢が相手役を演ずるほか、「密輸入者の恋」のアイリーン・パーシー嬢、「結婚行進曲」のマシュー・ベッツ氏、バート・ローチ氏、フランク・カリアー氏、ポリー・モーラン嬢、ウィリアム・V・モング氏、等主演。
1928年製作/アメリカ
原題または英題:Telling the World
ストーリー
銀行家である頑固な親爺に勘当されて行方不明と伝えられていたドン・デヴィスは漂然テレグラム紙の編集長を訪れ記者に採用してくれと頼んだ。編集長は彼に親爺とインターヴューをさせて社会欄を賑わせ、以てテレグラム紙の好評を博せしめた。が、ドンの粗暴な行為は同僚の鼻つまみとなり、夜の宿直の際、カフェーに殺人事件があると同僚達は彼をペテンにかけて慌てさせた。ドンはそれを真に受けて駆けつければ、偶然にも殺人事件を発見した。彼は機知を以て警察に通報し、犯人の一味を逮捕し、テレグラム紙はいち早くこれを報道したので、彼は思わぬ手際を樹てた。外国に特派されるものは皆有能な記者であると聞かされたドンは、パリに特派される事を希望していたが、殺人犯逮捕以来親密になったクライスタルという踊子が彼の心を誤解してフェンバーグという興行者の一行と共に中国に出発したので、彼は心を翻して上海特派員になる事となり、そして彼女の跡を追った。人心の険悪な中国の奥地にフェンバーグの一行が興行中、たまたまその土地の総督が暗殺され、クライスタルが犯人と目されて殺され様としたが、ドンが打電した無線電話は上海沿海に警備中の各国軍艦に通じ、飛行機と軍隊との出動を見、中国の兵士は駆逐され、クライスタルは救われた。中国側の形勢非と見て将軍の陳謝により、打電後投獄されていたドンは釈放された。彼はかくて再び事件を打電した。このニュースはたちまち全世界に報道さ荒れた。ドンとクライスタルとは物情騒然たるうちにめでたく結婚した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- サム・ウッド
- 脚本
- レイモンド・L・シュロック
- 原作
- デイル・バン・エベリー
- 撮影
- ウィリアム・H・ダニエルズ
- 題字
- ジョー・ファーナム